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「お前、俺の顔を覚えてないのか」受付で2度詰め寄った常連客。店長が記録を確認して伝えたこと

  • 2026.9.19

後回しにするなと言い続けた常連

40代になったころ、私は予約制のお店で受付のパートをしていた。50代くらいのその常連の男性は、来るたびに予約時間より早く案内してほしいと言ってくる人だった。

「まだご予約のお時間前ですので、もう少しだけお待ちいただけますか」

そう伝えると、男性は露骨に顔をしかめた。

「また待つのかよ。俺、いつも来てるだろ?」

「はい。ただ、先にご予約いただいている方がいらっしゃいますので……」

「なんで俺を後回しにするんだよ」

ほかのお客さんが待合の椅子に座っていても、男性は受付の前で声を落とさなかった。そのたびに周りの視線が集まり、私は緊張で胃のあたりが重くなった。

その日は朝から予約が詰まっていて、待合の椅子もほとんど埋まっていた。男性の予約時間まではまだ少しあり、先に案内する予定のお客さんも何人かいた。

私はいつもと同じように説明した。

「申し訳ありません。順番にご案内していますので、もう少しお待ちください」

すると男性は、ぐっと身を乗り出した。

「お前、俺の顔を覚えてないのか」

「いえ、もちろん覚えています」

「だったら分かるだろ。俺、何回ここに来てると思ってるんだよ」

「いつもご利用いただいているのは分かっています。でも、ご案内はご予約の順番になります」

私がそう答えると、男性はますます不満そうな顔になった。

「いつも来てる客を、こんなに待たせるのか?」

そう言うと、男性は受付の机を平手で叩いた。

「もういいよ。店長呼んで。あんたじゃ話にならないから」

待合にいたお客さんたちが一斉にこちらを見るのが分かった。私は返事をしながらも、手のひらに汗がにじんでいた。

店長が確認した受付の記録

奥から店長が出てくると、男性はそれまでより少し声を落とした。

「ちょっと聞いてくださいよ。この人、さっきから俺を後回しにするんですよ」

店長はすぐに言い返さず、まず男性の話を聞いた。

「お待たせして申し訳ありません。どういう状況だったのか、こちらでも確認しますね」

「俺はいつも来てるんですよ。それなのに毎回こうなんです」

店長は受付の端末を開き、これまでの対応記録を確認した。

そこには、男性が予約時間より早い案内を求めた日と、そのたびに予約順で案内したことが日付ごとに残されていた。

「先月も、早めに案内してほしいとお申し出があったようですね」

男性は黙ったまま店長を見た。

「そのときも、先にご予約されていた方からご案内しています」

「でも俺は、ずっとここを使ってるんですよ」

「はい。いつも来ていただいていることは分かっていますし、ありがたく思っています」

店長はそこで一度言葉を切った。

「ただ、いつも来てくださっている方だから先に、というご案内はしていないんです。今日も順番は同じです」

男性は何か言いかけたものの、そのまま口を閉じた。

そして、待合の端にある椅子へ腰を下ろした。

その後は名前を呼ばれるまで何も言わず、自分の順番になってから案内を受けて帰っていった。

閉店後、店長はその日の出来事を対応記録に書き足した。

「今日のことも残しておくね。言われた内容、これで合ってる?」

画面には、男性が「お前、俺の顔を覚えてないのか」と2度繰り返したことや、受付の机を叩いたことが簡潔に記されていた。

「はい。合っています」

そう答えると、店長は小さく息を吐いた。

「次からこの方が来たら、私を呼んで。あなた一人で対応しなくていいから」

その言葉を聞いたとき、私はようやく肩の力が抜けた。

それから男性が来たときは、店長が受付に出るようになった。

店長はいつもと変わらない口調で予約時間と順番を伝えた。何度か同じようなやり取りはあったものの、以前のように私が一人で対応することはなくなった。

そしてしばらくすると、その男性の姿を店で見かけることはなくなった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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