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「ちょっと、まだ?打つのが遅いんだよ」レジに響いた苛立つ声。店員を救った、後ろの女性の一言

  • 2026.9.19
「ちょっと、まだ?打つのが遅いんだよ」レジに響いた苛立つ声。店員を救った、後ろの女性の一言

数人前のレジで、声が上がった

週末の昼下がり、近所のスーパーはレジ待ちの列が通路の途中まで伸びていた。私はかごに牛乳とパンと総菜を入れて、その列の後ろのほうに並んでいた。すぐ前には年配の女性がいて、かごの中には野菜がいくつか入っていた。

数人先のレジでは、若い女性の店員さんが一品ずつ商品を通していた。その手元をじっと見ていた中年の男性客が、突然いら立った声を上げた。

「ちょっと、まだ?打つのが遅いんだよ」

店員さんの肩がびくっと動いた。手にしていた商品を慌てて持ち直し、バーコードをもう一度読み取る。

「申し訳ありません。少々お待ちください」

「こっちは急いでるんだよ。もうちょっと早くできない?」

今度は、さっきよりも大きな声だった。

「すみません…」

店員さんは急いで手を動かしていたが、焦っているのが後ろから見ても分かった。読み取り直す商品が出るたびに、列の動きも止まる。

周りの客も気まずそうに黙っていた。私も何か言ったほうがいいのかと思ったものの、知らない相手に声をかける勇気までは出なかった。

前にいた女性が、静かに声をかけた

すると、私の前に並んでいた年配の女性が、少し前にいる男性へ届くように声をかけた。

「あの、そんなに急かしたら、店員さんも余計に焦っちゃいますよ」

男性が振り返った。

「いや、でも急いでるんですよ」

女性は少し困ったような顔をした。

「それは分かります。私も早く帰りたいですし。でも、みんな順番に待ってますから」

責め立てるような口調ではなかった。ただ、男性だけではなく、自分も同じように待っているのだと伝えるような言い方だった。

男性は後ろへ続く列をちらりと見た。

「…まあ、そうだけど」

女性はそれ以上何も言わなかった。

男性もしばらく黙ったあと、レジのほうへ向き直った。その後は店員さんを急かすことなく会計を済ませ、その場を離れていった。

男性がいなくなると、店員さんは一度小さく息を吐き、次の商品を手に取った。

「お待たせしました」

少しずついつもの調子を取り戻したのか、止まっていた列もまた前へ動き始めた。

やがて、私の前にいた女性の番になった。

商品をすべて通し終えたところで、店員さんが小さな声で女性に言った。

「さっきは、ありがとうございました」

女性は少し驚いたように店員さんを見て、それから首を横に振った。

「いえいえ。大変でしたね」

「すみません、お待たせしてしまって」

「大丈夫ですよ。急がなくていいですから」

女性はそれだけ言うと会計を済ませ、かごを持って袋詰めの台へ向かった。

次に私の番が来た。

「お待たせしました」

店員さんの声には、さっきまでの張りつめた感じがなくなっていた。

「袋はご利用ですか?」

「お願いします」

会計を終えて袋詰めの台へ向かうと、先ほどの女性が野菜を丁寧に袋へ入れていた。

大げさな言葉で男性を言い負かしたわけではない。ただ、「みんな待っていますから」と落ち着いて伝えた女性の言葉が、その場の空気を少しだけ変えたことが印象に残っている。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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