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「これ、三日続いてたの?」毎晩コンビニで眠っていた男性。店長が伝えた正論

  • 2026.9.18
「これ、三日続いてたの?」毎晩コンビニで眠っていた男性。店長が伝えた正論

雑誌の棚の前に、毎晩その人はいた

三十代のころ、コンビニの夜勤でアルバイトをしていた。

その店には、毎晩のように雑誌の棚の前に立っている男性がいた。仕事帰りらしい上着姿で、缶コーヒーを一本だけ買い、そのまま長い時間、雑誌を読んでいる人だった。

最初のころは、こちらが困るようなことはなかった。商品を乱すこともなく、声をかければ普通に返事をする。店長も、買い物をしているお客様だからと、特に気にしていなかった。

「今日も寒いですね。外、かなり冷えてました?」

「冷えてたよ。もう夜は冬みたいだな」

そんな短い会話を交わすくらいだった。

変わってきたのは、秋に入ったころだった。雑誌を持ったまま目を閉じている時間が長くなり、やがて壁にもたれて座り込むようになった。

「あの、大丈夫ですか?かなり眠そうですけど」

男性ははっとしたように顔を上げた。

「ああ……すみません。ちょっと疲れてて」

「具合、悪くないですか?」

「大丈夫です。少し休めば平気なんで」

そう言われると、それ以上は聞きづらかった。

その週は、三晩続けて同じような状態になった。雑誌の棚の前で座ったまま眠り込み、朝になって私が声をかけるまで起きない。

「朝ですよ。起きられます?」

「…ああ、また寝てたか。悪いね」

男性は申し訳なさそうに立ち上がり、そのまま店を出ていった。

四日目の晩、とうとう飲み物の棚の前で男性の体が大きく傾いた。とっさに扉へ手をついたものの、そのまま膝から崩れるように床へ倒れた。

「大丈夫ですか?」

私は慌てて駆け寄った。

男性は少しして体を起こし、何度か息を整えた。

「大丈夫、大丈夫。ちょっと立ちくらみしただけだから」

「でも、今倒れましたよ。無理しないほうがいいですよ」

「……すみません。大丈夫ですから」

そう言って立ち上がったものの、私はその晩ずっと気になっていた。

翌朝、事務所の机に置いた一枚

早番と交代したあと、私は事務所で夜勤の申し送り用紙を一枚書いた。

日付と時刻、三晩続けて店内で眠っていたこと、そしてその晩に倒れたことだけを記した。

朝になって出勤してきた店長に、その紙を渡した。

店長は椅子に座り、最後まで黙って読んだ。

「これ、三日続いてたの?」

「はい。雑誌の棚の前で朝まで寝ている人がいたんです」

私は昨夜のことも説明した。

「昨日は飲み物の棚の前で倒れました。すぐ起きましたけど…見ていて、ちょっと怖かったです」

店長が顔を上げた。

「倒れたの?」

「はい。本人は立ちくらみだって言ってましたけど」

店長はもう一度、手元の紙を見た。

「分かった。今日来たら、俺から話す」

「お願いします。私からどこまで言っていいのか、ちょっと分からなくて」

「うん。これは店として話したほうがいいな」

その晩、店長は普段より遅くまで店に残った。男性がいつも来る時間を私から聞き、事務所で仕事をしながら待っていた。

しばらくすると、自動ドアが開いた。

男性はいつものように缶コーヒーを一本買い、雑誌の棚へ向かった。

店長がレジから出て、そのあとを追った。

「すみません。ちょっとだけ、お話いいですか」

男性は店長の顔を見たあと、少し気まずそうに視線を落とした。

「…寝てることですよね」

「はい。それと、昨日ここで倒れたと聞きました」

男性はしばらく黙っていた。

「ご迷惑かけました」

「正直に言うと、店の中で朝まで休まれるのは困ります。それに、昨日みたいなことがあると心配です」

「……そうですよね」

「具合が悪いときは、ここで無理して朝まで過ごさないでください」

店長は責めるような言い方はしなかった。

男性も言い返すことなく、小さく頭を下げた。

「すみませんでした」

そして、買ったばかりの缶コーヒーを持って店を出ていった。

自動ドアが閉まったあと、店長はしばらく男性が出ていった方向を見ていた。

それから私が朝に渡した一枚を折り、事務所へ戻っていった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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