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初めての旅行で窓の外ばかり見ていた彼→翌日「駄菓子屋のところね」と届いて気付いたこと

  • 2026.9.17
ハウコレ

旅行中、移動するたび窓の外を見ていた彼。写真を送っても返ってきたのはスタンプだけでした。翌日、彼が見ていないはずの場所の名前を口にしたことで、私は初めてその理由を知ります。

旅行の写真を12枚まとめて送ったのに、彼から返ってきたのはスタンプ1つだけでした。

既読がついたまま、動かない画面

付き合って1年になる彼と、初めての泊まりの旅行先を選んだのは私でした。行きたい店を並べたメモを見せると、彼は「全部行こう」と言ってくれました。ところが当日は移動のたびに窓の外ばかり見ていて、写真を撮ろうと声をかけても返事が遅れました。

帰りの新幹線を降りた駅で解散し、自分の部屋に戻ってから、写真をメッセージアプリで送りました。返ってきたのはスタンプだけ。私はそのまま「旅行、楽しくなかった?」と打ちました。既読はすぐについたのに、返信が来ません。洗濯機を回して、戻ってきても画面は変わらないままでした。

ようやく届いたのは「楽しかったよ。ありがとう」だけでした。私はそれを読んで、アプリを閉じました。

彼が見ていないはずの駄菓子屋

翌日、写真を見返しているうちに、メモの一番上に書いていた赤いひさしのたこ焼き屋が目に入りました。旅行中、私が特に楽しみにしていた店です。前日のやり取りを気まずいままにしたくなくて、「やっぱり、あのたこ焼きが今回一番おいしかったかも」と送りました。返信は、今度はすぐでした。

「駄菓子屋のところね」

その言葉を見て、私は写真に写った店の周囲を確かめました。たこ焼き屋に着いたときは行列ができていて、彼はそのまま列に並んで待ってくれていました。私は待っている間に周辺を歩き、角を曲がった先で、色あせた看板の駄菓子屋を見つけています。彼は列に並んでくれていたので、角の先にある駄菓子屋は見えなかったはずでした。

「なんで駄菓子屋知ってるの?」

送ると、画面の上に入力中の表示が出て、消えて、また出ました。届いたのは、

「小学2年まで、あの近くに住んでたんだ」。

付き合って1年、転校の話も、引っ越しの話も、一度も出たことがありません。私は旅行のメモを開き直しました。自分が楽しみにして選んだ店の名前を、彼はどんな気持ちで見ていたのだろうと思いました。

「なんで言ってくれなかったの」の後で

「なんで言ってくれなかったの」。送ってから、私はスマホを机に伏せました。

私が行きたい場所ばかり並べて楽しんでいた間、彼は昔住んでいた場所の近くを歩きながら、何も言わずについてきていた。そのことを知ると、旅行中の彼の様子が次々と思い返されました。

通知音が一度鳴り、しばらくして、もう一度鳴りました。

「ごめん」。

次に、「君が行きたいって選んだところを、そのまま一緒に回りたかった」と届きました。

自分が昔住んでいたと言えば、私が予定を変えると思ったこと。初めての旅行を、自分の思い出巡りにしたくなかったこと。それで言えないまま来てしまった、と続いていました。

「昔住んでたアパートの近くも通った。建物はなくなって、コインパーキングになってた」

あの日、窓の外ばかり見ていた彼の横顔が、別の意味を持って浮かびました。

私は「ずっと、私のせいだと思ってた」と返しました。

そして...

「次は、俺の行きたかった場所に付き合ってくれる?」と届きました。

私は旅行のメモアプリを開いて、旅行のリストの下に新しいページを作り、「彼の街」とだけ書きました。中身はまだ空白のままです。埋めるのは、私ではなく彼の番だと思っています。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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