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「ロレアル」が次世代の日本人女性科学者を支援!科学界のジェンダーギャップ解消を目指す

  • 2026.9.16
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「世界は科学を必要とし、科学は女性を必要としている」という理念のもと、パリに拠点を置くロレアル財団と国連専門機関のユネスコは、世界の女性科学者の業績を称えるとともに、同分野で活躍する女性たちのさらなる飛躍と地位向上を目的に、1998年から共同で女性科学者を支援している。

その一つの取り組みとして、日本ロレアルが2005年に日本ユネスコ国内委員会の協力のもと創設したのが「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」。国内の博士課程に在籍(または進学予定)の次世代の女性科学者が研究活動を継続できるよう奨励することを目的とし、毎年4名に奨学金を贈呈してきた。歴代の受賞者は受賞以降、研究を継続しながら次世代の育成など多様なキャリアを切り拓いて活躍している。

2026年9月2日に開催された授賞式では、パネルディスカッションも開催。ここでは、ディスカッションや受賞者一人ひとりへのインタビューから、現在のキャリアを選んだきっかけや直面した困難の乗り越え方などをご紹介。ジェンダーの壁を破り、自分らしい道を切り拓くためのヒントをもらって。

そもそも科学界のジェンダーギャップはどれくらい?

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最新の統計調査(総務省,2026年)によると、日本の科学技術研究における女性は過去最多の19万400人、研究者全体に占める割合も19%と過去最高を記録。女性研究者の裾野は広がりつつある一方、国際的には依然として低い水準にあり、科学・技術分野のジェンダーギャップは残されているのが現実。

こうした課題意識のもと、今後の活躍を期待されて2026年の受賞者に選ばれたのは、物質科学分野から梶原美紀(かじはら・みき)さん、杉村晴菜(すぎむら・はるな)さん。そして、生命科学の分野から大蘆彩夏(おおあし・あやか)さん、 桐野桜(きりの・さくら)さんの4名。

授賞式後には「次世代の女性科学者が描く未来 —多様性から紐解く科学の可能性—」と題したパネルディスカッションも開催。「女の子だからこうあるべき」「周囲に女性研究者が少ないことによる孤独感や、将来へのキャリアパスの不透明さに不安を感じることがある」など、科学界におけるジェンダーギャップや、女性研究者が直面する構造的な課題について意見が交わされた。

一方で個別インタビューは、好きなことに対するエネルギーや未知への挑戦に対するワクワク感にあふれる時間となった。

大蘆彩夏さん「研究することが自分のアイデンティティに」

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「企業への就職を考え、一度科学の道から去ろうとしたことが大きなきっかけになりました。就職活動をするなかで、研究しない自分が想像できないくらい、その楽しさを再確認。研究や科学の道が自分のアイデンティティになっていたことに気づきました」

「研究生活で喜びを感じる瞬間は、研究成果を論文として社会に発信できるときです。もちろん毎回の実験が成功してきたわけではないですし、失敗もありました。ですが、大事にしているのは、失敗しないと学べないということ。研究の成果も失敗の積み重ねのおかげで実っています。やってみないとはじまらない。失敗もすべて糧になっています」

【Profile】
所属: 岡山大学学術研究院 環境生命自然科学学域 助教(特任)
研究題目: アホロートルを用いた皮膚1型コラーゲン構造形成メカニズムの解明
研究成果:コラーゲンを作らないとされていた「表皮細胞」が美しいコラーゲン構造を作る鍵であることを解明。しわ・たるみ・傷痕に対するアンチエイジングや創薬への貢献が期待されている。

梶原美紀さん「挑戦しないことの恐怖の方が大きいから」

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「幼少期から車や数学が好きでした。両親は『好きなことをした方がいい』と言ってくれ、自分の“好き”を否定されない環境で育ちました。いまは自動車が衝突したときに乗員を守る工学技術をベースに、それを飛行機や宇宙機に応用する超高速衝突安全の研究に取り組んでいます。自動車への興味が、宇宙工学という現在の研究へと地続きでつながっています」

「“好き”を貫いた先に、女性研究者がいないことで孤独感や不安を感じることもあります。でも、その不安よりも“挑戦しないことの恐怖”の方が私にとっては大きい。研究をしながら、そう気づきました」

【Profile】
所属: 中央大学大学院 理工学研究科 精密工学専攻 日本学術振興会特別研究員(DC1)
研究題目: レーザー光を利用したマイクロ・ナノ粒子の高速射出技術の開発と材料高機能化
研究成果:超音速で微粒子を衝突させて金属を極限強化! 宇宙・自動車を守る革新技術で、絶対に壊れない材料創出へ。

桐野桜さん「『科学者って、なんてかっこいいんだろう!』がすべてのはじまり」

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「小学生のときに同郷の田中耕一さんがノーベル化学賞を受賞し、世界的な快挙を成し遂げ、中学生のときには山中伸弥さんが世界にiPS細胞が発表。日本中が興奮に包まれるのを見て、『科学者って、なんてかっこいいんだろう! 私も世界に役立つことがしたい』とあこがれを持ったことが、医学部への進学につながりました」

「自分の研究分野の第一人者に女性研究者がいることを知り、大学ではその方のもとで研究。女性のロールモデルがそばにいたことは、心強いことでした。困難に思う場面でも視野を広く持って情報を集めていると、チャンスがあることに気づきます。まずは情報を集めてみるということが、実は思っている以上に大事なアクションです」

【Profile】
所属: 東京科学大学大学院 医歯学総合研究科 消化器病態学分野 プロジェクト研究員
研究題目: 消化管の再生力を支える、細胞の”若返り”のメカニズムと意義
研究成果:強いストレスを受ける腸が細胞を若返らせて劇的に再生する仕組みを解明。難治性腸疾患の治療法や病気予防に。

杉村晴菜さん「教科書に載っている知識のその先へ」

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「研究の楽しさは、新しい発見をできることにつきます。実験を繰り返すなかで、教科書に載っている既存の知識のその先に、いまなお誰も足を踏み入れていない“未踏の研究分野”が無限に広がっています。そして、世界中の偉大な科学者たちがそのフロンティアを必死に開拓している途中で、自分自身の目の前の実験も、その開拓史の一部を担っているんだという実感を持つようになりました」

「同級生に女子学生がいない環境ではありましたが、後輩や他専攻の女子学生たちと助け合っていたことで困難を困難と思わずに過ごせたところはあります。モットーは『はればれ』。とりあえずトライはしようの精神で、なにごとも前向きに向き合っています」

【Profile】
所属: 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 助教
研究題目: 新規反芳香族イソフロリンの合成および設計指針に関する研究
研究成果:教科書の常識を変えるほどの、極めて不安定な「反芳香族イソフロリン」の安定合成に成功。次世代の機能性新素材・電子材料の開発へつながる快挙に。

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