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ツアー優勝プロはなぜ飛ばせる?注目の女子プロ3選手のスイングを解説

  • 2026.9.16

今シーズン、この3人で積み重ねた勝利数はすでに5つ。圧倒的な存在感を放つスイングの飛距離や精度など、ツアーで「勝てるポイント」はどこなのか。その秘密を徹底解説!

ブレない、リキまない、曲がらない柔軟性バツグン滑らかスイング

アドレス~テークバック

ツアー優勝プロはなぜ飛ばせる?注目の女子プロ3選手のスイングを解説
Point:少し左足寄りに加重(左)

アドレスは前傾角度がやや浅めですがバランスがよく、わずかに左足加重にすることで体が右へ流れにくい構えになっています。また、ヘッドをボールより少し後方にセットするのは、最下点をボールのうしろに意識しやすくなり、スティープに打ち込んでいくのを防ぐ工夫。

テークバックでは両腕を伸ばしたまま体の正面からクラブを外さず、右足の位置もほとんど変えない。右股関節を軸としたスムーズな骨盤の回転ができています。

バックスイング~トップ

ツアー優勝プロはなぜ飛ばせる?注目の女子プロ3選手のスイングを解説
Point:右股関節に体重がしっかり乗る(右)

バックスイング後半でも体が右サイドに流れず、右太モモにしっかり体重が残ることで力を蓄えています。

トップではクラブが地面と完全な平行になる位置まで大きく振り上げなくても、肩がアゴの下まで十分に入り、捻転が深いのが彼女の特徴。必要以上に腕を振り上げるのではなく、体の回転を最大限深めることによってトップを形成しているため、安定した切り返しができる理想的なポジションとなっています。

切り返し~ダウンスイング

ツアー優勝プロはなぜ飛ばせる?注目の女子プロ3選手のスイングを解説
Point:一瞬で左足に乗り替える

右足に乗っていた体重が素早く左足へ移動、その動きによってクラブに遠心力がかかり、ヘッドが自然に加速していきます。この時点で腰はほぼ正面を向いている一方で、上体はまだ後方を向いている。これは上半身と下半身の捻転差がしっかり維持されている証拠です。

この捻転差を保ったままダウンスイングへ移行することで、効率よくエネルギーをクラプへ伝えることができ、力強く、かつ安定したインパクトへと向かっていきます。

インパクト~フィニッシュ

インパクトでは左腕が真っすぐ伸び、右ヒジには適度なゆとりが残ることで、体の正面よりやや後方でボールをとらえています。このゆとりによってインパクト後も右腕が自然に伸び、フォローでは遠心力によって腕が自然にローテーション。左足で地面を力強く踏み込みながらフィニッシュへ向かいます。

左足が内側へ傾く動きからも、左股関節が後方へ引かれながらスムーズに回転する理想的な体の使い方が見てとれます。

神ワザPoint

バックスイングで大きな力を生み出すには右股関節に体重をかけながら体幹をねじる必要があります。これには柔軟性による可動域の確保と体重を受け止める筋力の両方が必要。

流れてしまえばスエー、可動域が足りなければ背中が反るなどエラーの起因になりやすいですが、高橋選手にはまったくそれが見られません。

タメと解放を極めたパワー爆発スイング

アドレス~バックスイング

体重を左右均等、足の中央にバランスよく乗せた安定したアドレスです。手足の長さを活かした自然な姿勢をとり、左手はナックルが2つ見えるややフックグリップで握っています。

テークバックでは体重をわずかに右足へ移しながら始動し、背骨を軸に上体をスムーズに回転。ハーフウェイバックでも両腕を真っすぐ保ち、コッキングを控えめにしたシンプルなクラブの上げ方をしています。

バックスイング~トップ

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Point:手首のコックがかなり浅い(左)Point:腹部はすでに切り返しをはじめている(右)

バックスイング後半でも手首のコックは小さめ。この“予備動作”によって切り返しで一気に手首のコックを深め、強いタメを生み出す準備が整います。

トップは手元が高い位置で収まり、大きなエネルギーを生み出せるポジションです。トップに到達するタイミングでお腹がわずかに切り返し方向に動きはじめ、捻転差を作っていきます。

切り返し~ダウンスイング

ツアー優勝プロはなぜ飛ばせる?注目の女子プロ3選手のスイングを解説
Point:右股関節の上で切り返す

切り返しでは骨盤を大きく左へスライドさせず、右股関節を軸に下半身を回転させながらダウンスイングへ移行します。同時に手首に慣性がかかってコックの角度が深まり、非常に強いタメが作られている。

そして左足で地面を力強く踏み込むことで体には逆方向への力が生まれ、その反力によってヘッドの遠心力が最大化。効率よくヘッドが加速していきます。

インパクト~フィニッシュ

インパクトでは体が回転が先行し、骨盤が開いた状態でボールをとらえていますが、ややフックグリップのおかげでフェースがスクエアに戻り、ストレートボールを打つことができます。

フォローではタメていた手首の角度を一気に解放するため、腕のローテーションは大きめ。それでも肩まわりの柔軟性が高く、手元が止まることなく深いフィニッシュまで振り抜くことで、ヘッド挙動を安定させています。

神ワザPoint

桑木選手は体を「柔軟に使う」能力がとても高い。上の写真はバックスイング終盤のコマですが、この段階で両腕を伸ばしたままにするには胸椎の可動域がかなり必要です。

下の写真では腕とクラブがなす角度がかなり鋭角。関節をロックせず、クラブが体にかける慣性をそのままに受け入れている証拠で、これが彼女のパワーの源泉となっています。

体重移動や地面反力を利用したメカニカルスイング

アドレス~テークバック

体重配分、ボール位置、グリップのいずれもクセがなく、非常にニュートラルでバランスのいい構えです。

テークバックでは体重を右足へ移しながら全身が一体となって動き出し、シャフトが地面と平行になるタイミングでは、右股関節へしっかり加重していく。この段階から骨盤がわずかにターゲット方向へ動きはじめ、次の動作への準備を行なっているのが特徴的です。

バックスイング~トップ

ツアー優勝プロはなぜ飛ばせる?注目の女子プロ3選手のスイングを解説
Point:骨盤がターゲット方向へ回転している(左)

トップへ向かうにつれて骨盤は回転を深めながら左足方向へ少しずつ移動し、切り返しへの流れを自然に作っています。肩は十分に回転していますが、背中を反らせることなく前傾角度を維持しているため、リバースピボットせずに深く捻転できる。

体の軸を保ったまま大きな回転量を生み出していることが、吉田選手の最大の特徴です。リバースピボットは腰痛の原因にもなるので、アマチュアは要注意です。

切り返し~ダウンスイング

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Point:左足へのスムーズな踏み替え(左)

切り返しでは素早く左足へ踏み替え、下半身主導でダウンスイングへ移行します。骨盤が正面を向きはじめても上半身はまだ右後方を向き、捻転差を維持したままクラブが加速。右ヒジがやや体から離れることで手元は体から遠く保たれ、強いタメが作られる。

左足で地面を蹴って地面反力を受け、その反作用としてヘッドにはさらに遠心力がかかってスピードがアップします。

インパクト~フィニッシュ

ツアー優勝プロはなぜ飛ばせる?注目の女子プロ3選手のスイングを解説
Point:左ヒザが伸びてヘッドが加速する(左)

ダウンスイングで作った強いタメを適切なタイミングで解放し、ゆるやかな入射角でボールをとらえることで、スピン量を抑えた力強い弾道を放っています。フォローではクラブヘッドと頭部が引っ張り合う関係を保ち、大きなスイングアークを描きながらフィニッシュへ。

右股関節が深く回転し、左股関節はほぼアドレス時の位置を維持することで、柔軟性を活かした美しいフィニッシュを完成させています。

神ワザPoint

体重移動を使う際の注意点は、体の幅の外に力が流れないようにすること。吉田選手の場合はとくに左サイドへの体重移動が大きいのですが、切り返しでの踏み替えがまさに神ワザ。

トップに到達する直前に足の力を一瞬抜いて、わずかに体を自由落下させる。次にそれを支える動きによって、左サイドへ加重をしていきます。

いかがでしたか? 女子プロのスイングを参考に練習してみましょう。

高橋彩華
●たかはし・さやか/1998年生まれ、新潟県出身。161cm。高精度なアイアンショットを武器とするショットメーカー。2022年にツアー初優勝。今季は「ヤマハレディースオープン葛城」「KKT杯バンテリンレディスオープン」を制して、すでにシーズン2勝をマーク。サーフビバレッジ所属。

桑木志帆
●くわき・しほ/2003年生まれ、岡山県出身。164cm。2024年にツアー初優勝、「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」でのメジャー初制覇を含む3勝をあげた。今季も前半戦で2勝し、ツアー通算5勝を誇るJLPGAの中心的な存在。大和ハウス工業所属。

吉田鈴
●よしだ・りん/2004年生まれ、千葉県出身。153cm。切れ味鋭いアイアンショットと緻密なコースマネジメントを武器に頭角を現し、今シーズンの「ヨネックスレディスゴルフトーナメント」で初優勝を達成。姉の吉田優利と姉妹でのツアー優勝も話題となった。大東建託所属。

解説=アッキー永井
●ながい・あきふみ(永井研史)/1987年生まれ、神奈川県出身。理論的なレッスンで支持を集め、千葉県を拠点にジュニア育成や競技者指導を行なう。日本体育大学女子ゴルフ部では、テクニカルコーチとして選手強化に携わる。Canvath Golf代表。

写真=圓岡紀夫、渡辺義孝、小林司
撮影トーナメント=Vポイント×SMBCレディスゴルフトーナメント
※選手の成績などは2026年7月11日現在のもの

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