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「洗濯物はこの棚に入れないで」子ども服のためにと空けたクローゼット、そこに夫が隠していたものとは

  • 2026.9.17
「洗濯物はこの棚に入れないで」子ども服のためにと空けたクローゼット、そこに夫が隠していたものとは

四分の一だけ空いた、夫の棚

お腹が大きくなる前に、片づけの約束をしました

妊娠がわかってしばらく経ったころ、私は夫とクローゼットの前で話していました。

子どもが生まれたら、肌着もおむつも一気に増えます。

今のうちに場所をつくっておこうね、と二人で決めたのです。

夫は「わかった、任せて」と胸を張りました。私は少しだけ、その言葉に甘えることにしました。

その週末、寝室をのぞくと、夫のクローゼットの棚が四分の一ほど、きれいに空いていました。私は思わず声をあげてしまいました。言ったその日のうちに動いてくれたのが、うれしかったのです。ありがとう、と伝えると、夫は照れくさそうに笑っていました。

ところが数日後、たたんだ肌着をしまおうとしたら、夫が慌てて前に立ちました。

「洗濯物はこの棚に入れないで」

まだ整理の途中だから、と言うのです。その日から夫は、私がその扉に近づくたびに、用事を思い出したように寄ってきます。掃除機をかけるだけでも、なぜか横についてくるのです。

夜ごと、扉の奥から聞こえた音

気になりはじめたのは、夜の音です。寝室が静かになると、扉の奥から、かさ、かさ、と小さな音がするのです。夫は「気のせいだよ」と言いました。けれどその音は毎晩続きました。三日目の夜、夫が寝息を立てはじめてから、私はそっと布団を出て、その扉を開けました。

棚には、透明な飼育ケースが置かれていました。中にいたのは、一匹のヤモリです。横には餌の容器と、霧吹きまでそろっていました。子どものために空けてくれたと思っていた場所は、はじめから夫の趣味のための場所だったのです。

私は怒鳴りませんでした。かわりに翌週、ケースをリビングの一番目立つ棚へ移し、その横に手書きの表を貼りました。餌やり、霧吹き、掃除。曜日ごとの担当欄には、全部そろって夫の名前が入っています。帰ってきた夫は、表の前で動けなくなりました。

「隠さなくていいよ。堂々と飼おう」

夫は小さくうなずいて、その日から毎晩、ケージの前にしゃがむようになりました。餌の管理も掃除も、思っていたよりずっと手がかかります。ひとりで抱えていたら、きっと途中で投げ出していたはずです。

夫は自分でクローゼットを空け、子ども服を並べました

ひと月ほど経った休みの日、夫はクローゼットを半分まで空けて、買っておいた子ども服を並べていました。ヤモリは今もリビングにいます。何かを迎える前には、まず相談する。うちの決まりは、あの表から始まりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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