1. トップ
  2. エピソード
  3. 「帰って。もう話すことないから」遠距離恋愛していた彼の嘘が次々と分かった。連絡を絶った半月後、扉の外から聞こえた元恋人の声

「帰って。もう話すことないから」遠距離恋愛していた彼の嘘が次々と分かった。連絡を絶った半月後、扉の外から聞こえた元恋人の声

  • 2026.9.14

別れを切り出したら、聞いていた話が入れ替わった

1年ほど、私は離れた土地に住む人と付き合っていた。会えるのは月に1度あるかどうかで、普段は文字や電話でやり取りしていた。距離があるぶん、相手から聞いた話を私はそのまま信じていた。

別れようと決めたのは、その人が別の相手ともつながっていたと知ったからだった。夜の電話でそのことを切り出すと、相手はしばらく黙った。

「…それだけじゃなくて、話してなかったことがある」

「何?」

「今、仕事してないんだ」

思わず聞き返した。

「え?去年から働いてるって言ってたよね?」

「いや、そういう言い方はしてないと思う」

「してたよ。会社の話も、休みの日の話もしてたじゃん」

少し間を置いて、相手は言った。

「そっちがそう思ってただけじゃない?」

その言葉を聞いて、怒るより先に頭が冷えていった。

問い返すたびに、勤め先や休みの話まで以前と合わなくなっていく。

「大学のことも…本当は違うところなんだ」

「じゃあ、私が今まで聞いてた話って何だったの?」

返事はなかった。

「もういい。何を信じればいいのか分からない」

私は電話を切り、それから連絡を返さなくなった。

「近くまで来たよ」と2度届いた

半月ほど経った深夜、枕元の画面が光った。

「近くまで来たよ」

嫌な予感がして、返事をしなかった。

少しすると、もう一度同じ文が届いた。

「近くまで来たよ」

カーテンを少しだけ開けて下を見ると、建物の前に見覚えのない車が止まっていた。

やがて、階段を上がってくる足音がした。一段ずつ近づき、私の部屋の前で止まった。

「ねえ、いるんでしょ。少しだけ開けてよ」

私は扉から離れたまま答えた。

「帰って。もう話すことないから」

「話したいだけなんだって。せっかくここまで来たんだから」

「この前、終わりにするって言ったよね」

「でも、一回ちゃんと顔を見て話そうよ」

「無理。帰って」

それ以上は返事をしなかった。

しばらく扉の向こうに気配があったが、やがて足音が階段を下りていった。外で車の扉が閉まり、エンジン音が遠ざかるまで、私は部屋の中でじっとしていた。

私は連絡先を変え、自分の名前や居場所につながりそうな情報もできるだけ出さないようにした。

何年たっても、「近くまで来たよ」と聞こえたあの夜と、扉の前で止まった足音だけは、今もはっきり覚えている。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ