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植物に圧倒されることの心地よさ。哲学者・永井玲衣に聞く、歩き、考えるための植物園

  • 2026.9.13
渋谷〈渋谷区ふれあい植物センター〉内観、哲学者・永井玲衣

大学時代からよく通っていたという〈渋谷区ふれあい植物センター〉を訪れ、リニューアル後の盛況ぶりに驚く永井さん。

「以前の、渋谷とは思えない地方の公民館のような、いなたい雰囲気や野性味あふれる植物の展示も好きでしたが、すっかり洗練されてきれいになりましたね。植物園が好きなのは、自然が失われた都市部に、人工的に緑を集めるという人間の試みや努力、本来的な緑の必要性を思い起こさせてくれるところ。植物の方がずっと偉大で、人間がちっぽけになれる。ただ、圧倒されるのが心地いいんです」

ここがきっかけで、ほかの植物園にも足を運ぶようになった。仕事柄、思考に行き詰まった時に散歩がてら訪れることも多いという。

「歩くことと考えることは相性が良くて。散歩することで頭を整理するというより、植物や自然のわからなさに触れて、考える角度を増やすような感じですね。ここは小さな園ですが、〈自然教育園〉や〈新宿御苑〉のように広大になるほどより歩き回れるし、壮大さにも驚ける。その分、余白が大きくなります」

一般的な商業施設と違って、目的が明確に確定されていない公共空間的な存在であるところも、永井さんが植物園を愛する理由だ。

「植物を全部見るというのでなく、気に入った1種だけ観察するのも、一人で本を開くのもいい。都市に失われつつある公共空間の大切さを思い出す場所としても訪れてください」

渋谷〈渋谷区ふれあい植物センター〉内観、哲学者・永井玲衣
日本一小さな植物園。園内外で150種以上の主に食用の熱帯植物を栽培。カフェも併設。

永井玲衣のお気に入りの植物園

Information

渋谷区ふれあい植物センター

2004年に開園し、育てて食べる植物園として23年7月にリニューアルオープン。

住所:渋谷区東2-25-37 | 地図
TEL:03-5468-1384
営:10時~21時(入館は閉館30分前まで)
休:月曜(祝日の場合は翌日休)
料金:一般100円

Information

国立科学博物館附属自然教育園

植物は1,400種以上。

住所:港区白金台5-21-5 | 地図
TEL:03-3441-7176
営:9時~16時30分(夏季~17時、入園は通年16時まで)
休:月曜(祝日の場合は翌日休)、祝日の翌日休(土曜・日曜の場合は開園)
料金:一般320円

Information

新宿御苑

1906年に誕生。敷地は約58.3ヘクタールと都内最大級。

住所:新宿区内藤町11 | 地図
TEL:03-3350-0151
営:9時~18時(夏季~19時、冬季~16時30分、入園は閉園時間の30分前まで)
休:月曜(祝日の場合は翌平日休)
料金:一般500円

profile

永井玲衣(哲学者、作家)

ながい・れい/1991年東京都生まれ。考えること、対話することについて探求し、学校や企業、寺社、美術館、自治体などで哲学対話を行う。著書に『世界の適切な保存』(講談社)、『水中の哲学者たち』(晶文社)など。

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