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「一人で住んでると心配でしょう」週3回家を訪ねてきた男性。引っ越しを伝えると、急に口数が減った

  • 2026.9.13
「一人で住んでると心配でしょう」週3回家を訪ねてきた男性。引っ越しを伝えると、急に口数が減った

夕方になると、門の前に自転車が止まった

夕方の六時前になると、門の外で自転車を止める音がするようになりました。

ちょうど夕飯の支度をしている時間です。最初はたまたまだと思っていましたが、同じ時間に何度も続くうち、「今日も来たのかな」と台所の時計を見るようになりました。

門まで出ると、地区の区長をしている男性が立っていました。

「こんばんは。ちょっと見回りでね。変わったことない?」

「こんばんは。大丈夫です。特にはありません」

それで帰るのかと思うと、男性はそのまま話を続けます。

「一人で住んでると心配でしょう。何かあったら言ってくださいよ」

「ありがとうございます。でも、今ちょうど夕飯を作っているので……」

「ああ、ごめんごめん。もう少しだけ」

庭のことや近所の話が始まり、なかなか会話が終わりませんでした。

地域の役をしている人だから、あまり冷たくするのもよくない。最初はそう考えていました。

ところが数か月のうちに、訪問は月に一度から週に二度へ増え、やがて週に三回ほど来るようになりました。

六時前になるだけで、少し身構えるようになっていました。

ある日、集積所の当番で一緒になった年配の女性に聞いてみました。

「区長さんって、見回りで家まで来られることありますか?」

女性は少し驚いた顔をしました。

「家まで? うちはそんなふうに来たことないけど」

「そうなんですか。うちは最近、週に何回か来られてて……」

「そんなに? それはちょっと多いわね」

その言葉を聞いた瞬間、それまで曖昧だった違和感が、はっきりした気がしました。

「もう来てほしくない」と初めて口にした

その夜、パートナーに電話をしました。

「ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど」

これまでのことを話すと、電話の向こうが少し静かになりました。

「週に三回って……ずっと一人で対応してたの?」

「うん。地域の人だし、邪険にしたら悪いかなって」

「でも、嫌なんでしょう?」

私は少し黙ってから答えました。

「…うん。正直、もう来てほしくない」

するとパートナーが、「前から話してたことだし、よかったら一緒に住まない?」と言いました。

以前から出ていた話でしたが、生活が変わることに迷い、返事を先延ばしにしていたのは私でした。

それから二人で部屋を探し、引っ越しの日を決めました。

その後、男性がいつもの時間に来た日、私は門のところで伝えました。

「来月、ここを出ることになりました」

「え、引っ越すの?急だね。どこへ行くの?」

「一緒に暮らす人がいるので、その人と住むことにしたんです」

男性は少し間を置きました。

「……ああ、そうなんだ」

それまでよく話していたのに、その日はそれ以上質問されませんでした。

引っ越しの日、隣の奥さんが荷物を運ぶ私に声をかけてくれました。

「あの人、よく来てたわよね。毎週みたいだったから、ちょっと気になってたの」

「やっぱり見えてたんですね」

そう答えると、奥さんは少し困ったように笑いました。

新しい家に移ってから、夕方六時前になっても外の音を気にすることはなくなりました。

今、その時間に聞こえるのは、台所から鳴る炊飯器の合図くらいです。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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