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「2年間、一度も入れてなかったの?」将来のために作った恋人との貯金口座。だが、記帳した私が言葉を失った理由

  • 2026.9.12

二人で貯めようと決めて、作った口座

同棲を始めてから、恋人とは少しずつ結婚の話をするようになりました。

新しい部屋を借りるにしても、式を挙げるにしても、お金は必要です。

そこで私名義の口座を一つ、将来のための貯金用にすることにしました。

私のほうが収入は多かったので、同じ額を入れてほしいとは思っていませんでした。

私は毎月八万円。彼女は無理のない範囲で入れる、という話になりました。

「私も入れるから。二人のお金なんだし」

そう言う彼女に、私は「ほんとに無理だけはするなよ」と返しました。

「分かってるって。でも、あなただけに貯めてもらうのは嫌だから」

その言葉がうれしくて、それ以上細かいことは決めませんでした。

私は給料が入るたびに八万円を移しました。

彼女がいくら入れたのか、毎月確認したことはありません。

「ちゃんと入れた?」などと聞くのも、疑っているようで嫌だったのです。

そうして、ほぼ二年が過ぎました。

秋の終わり、久しぶりに通帳を記帳しました。何となく残高も見ておこうと思っただけでした。

ところが、ページをめくっているうちに手が止まりました。

毎月八万円。八万円。また八万円。

並んでいるのは、私が入れてきた分だけです。

見落としているのかと思って、最初のページからもう一度確認しました。それでも、彼女が入れたと思える記録は一度もありませんでした。

「…一回も?」

思わず声が出ました。

「入れるって言ってたよね」

その日の夜、帰宅した彼女に通帳を見せました。

責めるつもりで待っていたわけではありません。何か事情があったのなら、まずそれを聞こうと思っていました。

「ちょっと、これ見てほしいんだけど」

彼女は通帳を見ると、一瞬だけ表情を止めました。

「…記帳したんだ」

その返事に、胸の奥がざわつきました。

「うん。俺の見間違いだったら悪いんだけどさ」

私は通帳を彼女の前に少し押しました。

「2年間、一度も入れてなかったの?」

彼女はしばらく黙っていました。

「……うん」

「何かあった?」

「何かって?」

「急な出費とかさ。ずっと入れられない理由があったのかなって」

すると彼女は少し困ったような顔をしました。

「そういうのじゃないよ」

「じゃあ、なんで?」

少し間があって、彼女は言いました。

「自分で働いたお金だし、使いたいときに使ってた」

私はすぐに返事ができませんでした。

「いや、それはいいんだよ。自分のお金なんだから。でも、二人で貯めるって話したよね?」

「したけど……絶対に毎月入れるっていう感じだとは思ってなかった」

「でも、『私も入れる』って言ってたじゃん」

「そのときは、そうしようと思ってたよ」

彼女の声も少し強くなりました。

「途中で気が変わったなら、言ってほしかった」

「言ったら怒ると思ったから」

「今、怒ってるのは、お金を使ったことじゃないよ」

自分でも驚くほど静かな声が出ました。

「俺だけ二人のために貯めてるつもりだったことが、きついんだよ」

彼女は何も言いませんでした。

その沈黙で、二人が同じ将来を考えていると思っていたのは、私だけだったのかもしれないと感じました。

その日すぐに別れたわけではなかった

その場で荷物をまとめて出ていくようなことはしませんでした。

ただ、それから何度か話をしても、貯金そのものより「約束を途中で変えたなら伝えてほしかった」という私の気持ちは、うまく伝わりませんでした。

彼女からすれば、自分のお金を自由に使っただけ。私からすれば、二人で決めたことを二年間、一人だけ続けていた。

その違いは思っていた以上に大きいものでした。

しばらく話し合った末、私たちは別々に暮らすことを決めました。私は管理会社に退去について問い合わせ、少しずつ荷物を整理しました。

最後に通帳をしまうとき、彼女がぽつりと聞きました。

「あの口座、結構貯まった?」

私は少し迷ってから答えました。

「うん。俺が入れてた分は、そのまま残ってたよ」

彼女は「そっか」とだけ言いました。

二年間で貯まった金額より、その一言のほうが、私にはずっと重く残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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