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「せっかく来たんだから、ちゃんと撮りたい」運動会で撮影場所を守らなかった男性。3度目の注意で見せた反応

  • 2026.9.12
「せっかく来たんだから、ちゃんと撮りたい」運動会で撮影場所を守らなかった男性。3度目の注意で見せた反応

撮影エリアの外に、一人だけ構えている人がいた

息子の出番が近づいたので、私はカメラを持って撮影エリアに向かった。

白線とコーンで囲われた一角には同じ学年の保護者が並び、後ろの人にも見えるよう、少しずつ場所を譲りながら撮影していた。

入口では、腕章をつけた係員の保護者が列を案内している。

その囲いから十歩ほど離れた芝の上に、一人だけ男性が立っていた。ゴールのすぐそばで、大きなカメラを構えている。

近くにいた先生が、男性のところへ歩いていった。

「すみません、お父さん。そこは撮影する場所じゃないので、白線の中へお願いします」

男性はカメラを下ろさないまま答えた。

「いや、でも…あそこからだとうちの子が全然見えないんですよ」

「気持ちは分かるんですが、ここは子どもたちが走ってきます。危ないので移動してください」

「もうすぐ来るんです。これだけ撮ったら動きますから」

先生は少し困ったように男性を見た。

「皆さん同じ場所から撮っていただいているので…お願いします」

それでも男性は動かなかった。

やがて号砲が鳴り、子どもたちが一斉に走り出す。男性は何度もカメラを構え直しながら、自分の子どもを追っているようだった。

競技が終わると、近くにいた保護者から小さな声が聞こえてきた。

「あそこ、さすがに危なくない?」

「私ももっと前で撮りたいけど、みんな我慢してるのにね」

男性はそんな声には気づいていない様子で、カメラの画面を確認していた。

三度目には、先生と係員が一緒に向かった

その後、校内放送でも「撮影は決められたエリアからお願いします」と案内が流れた。

ところが次の競技になると、男性はまた同じ芝の上に立っていた。

先生が再び声をかける。

「お父さん、さっきもお願いしましたよね」

男性は少し苛立ったようにカメラを下ろした。

「だから、あそこじゃ見えないんですって。せっかく来たんだから、ちゃんと撮りたいんですよ」

「それは皆さん同じなんです。ここだけは入らないでください」

男性は納得していない顔をしていたものの、そのときはいったん芝から離れた。

昼の競技が始まる前、もう一度同じ内容の放送が流れた。

息子の出番を終えた私は、保護者席で麦茶を飲みながら競技を眺めていた。

すると、先ほどの男性がまたカメラを持って芝のほうへ歩いていく。

近くにいた係員が気づき、先生のところへ向かった。

「先生、またあそこにいます」

先生は男性を見ると、小さく息を吐いた。

「分かりました。一緒に行きましょう」

今度は先生と係員の二人が、男性のところへ向かった。

「お父さん、ここでは撮れません。撮影エリアへ戻ってください」

「……ただ撮ってるだけじゃないですか」

男性の声には、明らかに不満がにじんでいた。

係員も穏やかな声で続けた。

「お子さんを撮りたいのは分かります。でも、ここに人がいると走ってくる子も危ないんです」

「ちょっとだけでも駄目ですか?」

「すみません。ここは皆さんにも同じようにお願いしています」

男性は何か言い返そうとして口を開いたが、結局何も言わなかった。

周囲を見ると、撮影エリアの保護者たちもこちらを見ている。

男性は少し気まずそうに視線を落とし、やがてカメラを胸の前に抱え直した。

「……分かりましたよ」

そう小さく言うと、芝から離れ、保護者席のほうへ戻っていった。

近くにいた女性が、ほっとしたように言った。

「やっと戻ってくれましたね」

隣の人も苦笑しながら答えた。

「撮りたい気持ちは分かるんですけどね。子どもが走る場所ですから」

その直後、次の競技を知らせる放送が流れた。

撮影エリアでは、また順番に保護者が前へ出ていく。今度は芝の上に立つ人もなく、子どもたちへ向けて一斉にカメラが構えられていた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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