1. トップ
  2. 「自分より優秀な後輩にドロドロとした嫉妬を…」ジェーン・スーと堀井美香が解き明かす、嫉妬心の鎮め方【OVER THE SUN 出張!お悩み相談室】

「自分より優秀な後輩にドロドロとした嫉妬を…」ジェーン・スーと堀井美香が解き明かす、嫉妬心の鎮め方【OVER THE SUN 出張!お悩み相談室】

  • 2026.9.7

CREA2026年秋号の「1冊まるごと人生相談」特集が、現在好評発売中! CREA WEBではその一部を抜粋してご紹介します。

今年も人気Podcast「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」とのコラボが実現。ジェーン・スーさんと堀井美香さんに、読者のお悩みにじっくりお答えいただきました。心を太陽の向こう側へ導く、珠玉の金言をお届け!


【相談】若い才能に嫉妬してしまう

ジェーン・スーさん。

【お悩み】
職場の後輩(20代)の圧倒的な才能と要領の良さに対して、ドロドロとした嫉妬を抱えて苦しんでいます。私が10年かけて身につけたスキルを、彼女はたった数カ月で軽々と超えていきました。表向きは「すごいね!」と応援する良い先輩を演じていますが、内心は悔しくて、彼女が少しでも失敗するとホッとしてしまう自分がいます。年齢を重ねれば器の大きな大人になれると思っていたのに、自分の心の狭さに絶望。この醜い嫉妬心とどう付き合えばいいですか?(39歳・女性・器は極小サイズ)

スー 自分より上手くできる人への嫉妬心なんて、誰の中にでもありますよ! 39歳なら、まだ全然あるある。だから、もしこの先も今の職場でやっていきたいと思うなら、自分が倍頑張って、若い子が上手くやっても「どうぞどうぞ」って余裕で見守れるところまで、圧倒的な努力をするしかない。自分が欲しい結果に対して、自分のポテンシャルがどれくらいあるか、冷静に見つめ直す時期なんじゃないかな。

堀井 相手とそれだけ年が離れていたら、「頑張れー!」って応援する気持ちになってもいいんだけど……嫉妬心って人間きっと死ぬまでなくならないんだよねぇ。でもさ、39歳と20代の新人なら、もう立っているステージが違うじゃない?

スー そうそう! 競う側から、マネジメントというか、この子を育てる方に意識を切り替えていかないとね。

堀井 相談者さんがもう一段、意識を成長させないとダメかもね。39歳ならもう会社の中で中堅的な立ち位置のはずだし、この20代の天才をどう指導して会社に貢献させていくか、下の人たちをどう育てるかっていう方に尽力することを、会社からも求められる立場だと思うから。自分の役割は、これまでとはまったく違うステージに移ったんだっていう意識を持った方が楽になれるかも。

スー 本当にそう。20代前半ぐらいならしょうがないけど、40歳近くなったら、仕事においては能力があるとかないとかじゃないのよ。他者のことや周りの環境に思いを馳せるっていうのは、もともとの才能の話ではないから、自分で意識をチェンジするしかないんです。それこそアナウンサーなんて、毎年若い才能がボンボン出てくるわけじゃない?

堀井 そうだねぇ。でも私は早くに結婚して子どもを産んだから、キャリアの最初の方から同僚と自分を同じカテゴリーとして考えてはいなかったんですよね。「私は子持ちアナウンサーとして、同僚とは別のステージに立っているんだから、この時間帯でこういう働き方をすればいいんだ」と考えるようにしていてそもそも競うには、立場も状況も違う。無理してもしょうがない。そう思うと焦ることもなかったんです。

スー それってあとから思うとラッキーなことだったよね。

堀井 本当にね。同期が帯番組をやったり、年下がバラエティ番組で活躍したりしていても、別世界に思えて「みんな頑張ってるな。じゃあ私はここで何をしようかな」って客観的に考えられたのは非常に良かったです。

スー その時期に、先輩が良いこと言ってくれたんだよね。

堀井 そうなんです。土日も出られない、朝早いのもできないってちょっと悩んだ時期に、先輩が「今は子育てしなさい。後でアナウンサーとしての仕事をバリバリやって、最後帳尻が合えばいいですよ」と言ってくれて。

スー 相談者さんにやってほしいのは、堀井さんの先輩みたいに若い人に対して肯定する言葉を言ってあげること。才能に嫉妬する側じゃなくて、この子が何か困ったときに助けてあげる側になってほしい。自分の自信がない部分を刺激してくる周りの人を排除することはできないからね。だからこそ、この子たちをどう羽ばたかせるかという意識を持ってほしいな。

堀井 非現場で監督する立場なのに、現場感をバリバリ引きずっていつまでも競ったりして、少し痛い人になってるケースも時々聞いたりするから。「競うことのやめ時」って大事なんだろうね。

スー 嫉妬心は誰にでもあってしょうがないものだけど、そこに飲み込まれず「自分の役割は違うんだ」という認識にチェンジする。切り替えられないと、やっぱり仕事を続けていくのがしんどくなっちゃうから。自分で意識を変えていくことが大事ですね。

【相談】なぜ日本は痩せ信仰?

堀井美香さん。

【お悩み】
私は幼少期から太っていて、「デブ」や「ブス」やら罵声を浴びてきました。椅子に「家畜」と書かれたり、「豚!」と指をさされたり、お腹を叩かれながら「痩せろ!」などと言われたり。こういった日常を送ってストレスが溜まり、食欲が増して、どんどん太っていく負のループ。学校ではお笑いキャラを演じなければならず、悲しかったです。社会人になってからダイエットを決意、水だけで過ごす無茶なダイエットで、1年で40キロも体重を落としました。周りも心配するほどガリガリになったのですが、「どうだ、デブデブ言ってきたやつら。ぐうの音も出ないだろう?」と思っていました。今考えると完全に拒食症だったのですが。現在はしっかり食事を摂り、適度に体を動かす生活を送っております。体重もだいぶ増えてしまったのですが、私の体形をまったく気にしないパートナーとも出会え、無理に痩せていた頃より楽しい人生を過ごしています。……なのですが、外に出ると若い女性がみんなして細く、自信に溢れている姿を目にし、「私デブって笑われていないかな」と内心ビクビクしてしまいます。なぜ日本はこんなにも過剰な「痩せ信仰」の国になってしまったのでしょうか?(34歳・女性・弥呼)

スー 最後の「なぜ日本はこんなにも過剰な『痩せ信仰』の国になってしまったのでしょうか」という1行、話が飛躍しすぎだよ!(笑)。デブとからかわれたりしてつらかったのはすごくよくわかる。そこから40キロ痩せて、拒食症の後遺症が残ったり、死んだりしなくて、本当に良かった。でも今、体形を気にしなくていい素敵なパートナーもいるのに、「昔自分をディスってきた人たちの物差し」で、いまだに自分を測り続けているわけだよね。もちろん歴史や文化、そして置かれた経済環境によって美の基準は違います。伝統的に「豊かな体形」が支持されてきた国も世界にはあるだろうけど、「痩せていること=美しい」という痩せ信仰は、何も日本だけの問題ではなくて、欧米や韓国もそうだし、世界的に見てもその傾向はあるんだよね。世界の価値観は一朝一夕に変えられる話じゃないから、まずはあなたが「自分の中にある過去の物差し」とどう向き合うかを考えられると良いかもね。

堀井 私も若い頃は痩せたいと思っていたし、今でも「痩せた方が体が軽い」とか「テンションが上がる」というのはすごくある。けどね、私の営業職の後輩で、夜な夜な会食とかでお酒を飲んだりして、就職してから20キロぐらい太っちゃった子がいて。

スー いやいや、会ったことあるけど全然太ってないって!(笑)。

堀井 でもね、私が素敵だなと思うのは、彼女が別に体形を気にしてなくて、すごくポジティブなところなんです。髪の毛もめちゃめちゃきれいに手入れして、肌もネイルもすごくきれいにしてて、ちゃんとおしゃれを楽しんでる。自分で他の「良さ」をわかっていて、ちゃんと自信を持とうとしているところが素晴らしいなと思うんですよね。

スー 昔は体格のいい人が、女性性をそこで認めておしゃれを楽しむっていうのはなかなか難しかったけど、今は違うよね。相談者さんが外を歩いていて「私デブって笑われていないかな」とビクビクするのは、明らかに過去の記憶に引っ張られているから。じゃあその過去の物差しをどうやってへし折るかと言ったら、それは毎日、力技でへし折るしかないの! 折っても毎日出てくるから、それを繰り返すしかないんだよね。

堀井 力技ってやっぱり大事になってくるよね(笑)。

スー 過去に酷いことを言ってきたやつらが悪いのは大前提。でもそれに囚われ続けて、外を歩くのもビクビクしてしまうなんて本当に勿体ないなと思う。だから「日本はなぜ」という外部要因のせいにするのではなくて、「自分自身をもっと信用するためにはどうしたらいいか」という方に、努力の方向性を変えてみてほしいな。

堀井 今はぽっちゃりしていても、めちゃめちゃ踊れてポジティブでおしゃれでイケてる人がいっぱい活躍しているじゃない? 若い人たちもそういう姿を見ているから、痩せ信仰に囚われていない子も多いんです。だから基準が「痩せてる・太ってる」じゃなくて、「特技」とか「ファッション」とか、自分の中のプラスのものを早く見つけた方がいいですよね。

スー インスタグラムで、海外も含めて自信を持っているプラスサイズモデルのおしゃれで楽しそうな人たちをたくさんフォローして毎日見るのもおすすめ! 本当に痩せたいなら健康的に痩せればいいし、今の自分を好きになれていたら、外野のノイズは気にしない。「なぜ私は自分を肯定できないのか」と自分にベクトルを向けて、他人の物差しを毎日へし折っていきましょう!

ジェーン・スー

1973年東京都生まれ。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」、Podcast番組「となりの雑談」のパーソナリティーとしても活躍。近著に『介護未満の父に起きたこと』(新潮新書)、『ねえ、ろうそく多すぎて誕生日ケーキ燃えてるんだけど』(光文社)など。

堀井美香(ほりい・みか)

1972年秋田県生まれ。2022年3月にTBSを退社しフリーランスに。様々な番組・CMでナレーションを担当する一方、自ら朗読会を主催するなど、多方面で活躍する。著書に『一旦、退社。50歳からの独立日記』(大和書房)など。

Podcast「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」

Podcast「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」

毎週金曜日の夕方5時に配信。TBSラジオが制作するPodcast番組。飾らないトークで女性たちの支持を集め、月間リスナー約80万人の人気番組に。2026年8月には「緑のオーバーザサン 安全第一 私たちの大運動会2026」を開催。成功裏に終えた。


続きは「CREA」2026年秋号でお読みいただけます。

文=綿貫大介 写真=平松市聖 コラージュ=Nao/petitoto スタイリング=宮崎真純(likkle more) ヘアメイク=yumi(ThreePEACE)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ