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【エディターズレター】キッチンは暮らしの舞台になる──『ELLE DECOR JAPAN』2026年10月号

  • 2026.9.7
AIKO YANAGIDA

仕事に追われて疲れたとき、私はたいていキッチンにこもって料理をします。次の工程を考えたり、野菜を切ったりしているうちに、いつの間にか集中している── そう、私にとってキッチンは、頭の中を空っぽにして気持ちを切り替えるための場でもあるのです。だからこそ、こだわりも重要。使いやすさはもちろん、収納の仕方から、そこに並ぶ道具まで、好きなものに囲まれる空間だったら、料理をする時間は間違いなくもっと楽しくなるはずです。そんな思いを体現するような、国内外の個性豊かなキッチンが本特集にはあふれています。

AIKO YANAGIDA

料理の場所から暮らしを彩る空間へ

ロンドンの陶芸家、フランチェスカ・アンフォッシは、息子たちと一緒にキッチンを製作。プレイフルなモチーフをテラゾーに埋め込んだワークトップは、世界にたったひとつだけ。時間や記憶までキッチンという場所に刻み込んでいくのは、彼女ならではの発想です。また、鎌倉にあるクリエイティブユニット、AtMaの自邸にも、ものを大切にするふたりの姿勢が表れています。所有する器や道具をひとつひとつ把握し、収納の使い勝手や寸法を細かく設計。愛用の器はしまい込むのではなく、飾り棚に並べて眺め、使いながら楽しむ。ものへの愛着が、そのまま空間の美しさと機能性に結びついていることに、キッチンという場所の奥深さを感じます。

料理をするだけの場所から暮らしを彩る空間へ、キッチンはどのように進化してきたのか──特集では、建築家たちが手掛けてきたキッチンの歴史をたどりながら、スタイル別のツールやオブジェ、最新家電までも、幅広く紹介。キッチンに立つ時間をもっと楽しくするヒントをたっぷりと集めました。

PATRIC JOHANSSON

北欧をアップデート

そして、今号では北欧デザインの現在にも目を向けています。北欧というと、温かみのある木や愛らしい色を思い浮かべがちですが、実はそれだけではない、エッジの利いたプロダクトが続々と生まれているんです。ヴァーナー・パントンの生誕100周年を迎えた今年、その鮮やかな色彩感覚を振り返りつつ、巨匠から注目の気鋭まで、多彩なつくり手たちを追いました。さらには、今年の3daysofdesignの最新リポートも。私たちが思い描いてきた北欧のイメージを少しアップデートしてくれる、「いま」にきっと出合えるはずです。

Hearst Owned

『エル・デコ』2026年10月号

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