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買い物は“このために働いている”と言える喜び。林真理子さんが手放さない70代の楽しみとは

  • 2026.9.6

買い物は“このために働いている”と言える喜び。林真理子さんが手放さない70代の楽しみとは

「80代になるとたいていボケるか死ぬ」——思わず二度見してしまうようなタイトルの本が、いま話題です。著者は、作家の林真理子さん。刺激的な言葉の裏側にあるのは、70代をどう生きるかという、実に現実的な思いです。『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』(幻冬舎刊)から抜粋して、林さんの本音をご紹介します。第2回は「新タケノコ生活」。

買い物の喜びを捨ててはいけない

はっきり言って、あと10年分の洋服と着物はどっさりある。そう体型や好みが変わらない限り、不自由することはないだろう。

しかしそれでも、新しいシーズンが来るとショップに行かずにはいられない。入荷したものを見せてもらい、なじみの店員さんとあれこれ喋(しゃべ)り、試着し体にあうようピンを打ってもらう。やはり買い物は楽しい。

洋服ばかりでなく、どこかへ行くと何かを買わずにはいられない。観光地に行けば、さすがにキャラクターグッズやこけしには手を出さないが、その土地特有の織り物で作ったポーチは買ってしまう。

このために働いていると言ってもいい。

物欲という言葉は嫌いであるが、私は買い物欲は人一倍強い方だと思う。

自分の稼ぎで欲しいものを買って何が悪い、と最近は居直っている。私はSNSで見せびらかしたりはしないが、『anan』のエッセイなどで、買い物欲のことは知れ渡っているので、あれこれ言われることもある。

ところがよくしたもので(ちっともよくないが)年齢と共に収入は激減した(私の場合は年齢よりも、いろいろなことがあるが)。

とにかく買い物欲に追いつくお金がなくなったのである。

それで私は、昔買ったブランド品の洋服や靴、バッグを最近こまめに売っている。これが結構いいお金になるのは驚くばかりだ! インバウンドの人たちが、いっぱい買ってくれると聞いた。

日本が二等国に成り下がったという感慨はさておくとして、かなりの現金を手にすることができてとても嬉しい。私はこのキャッシュを持って、いつものショップに行ったことがある。

「カードでなくて、キャッシュで払います」

店員さんはちょっとびっくりしていた。バッグを三個売り、私は新作のジャケットを買ったのである。

私はこれを「新タケノコ生活」と呼んでいる。

※この記事は『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』林真理子著(幻冬舎刊)の内容を、ウェブ記事用に再構成したものです。

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