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朝のホームで知らない男性に挨拶を返した私。「14人目で、やっと返してもらえました!」と男性が声を張り上げ、思わず後悔した

  • 2026.9.6

ホームの列に、明るい声が近づいてきた

平日の朝、いつもの時間の駅でした。私は毎日ほぼ同じ車両に乗るので、その日も階段に近い場所の列に並んでいました。

電車を待っていると、少し離れたところから「おはようございます」という声が聞こえてきました。

見ると、一人の男性がホームを歩きながら、並んでいる人たちに一人ずつ声をかけています。

「おはようございます。いってらっしゃい」

選挙運動でも、駅の係員でもないようでした。男性はただ明るい表情で、目の前の人に順番に挨拶をしていました。

声をかけられた人の反応はさまざまでした。軽く会釈する人もいれば、そのまま前を向いている人もいます。

少なくとも私が見ていた範囲では、声に出して返事をする人はいませんでした。

男性はそれを気にしている様子もなく、同じ調子でこちらへ近づいてきます。

私はなんとなく落ち着かなくなりました。

知らない人から挨拶をされること自体が嫌だったわけではありません。ただ、朝のホームで突然声をかけられたとき、どう反応するのが正解なのか分からなかったのです。

反射的に「おはようございます」と返した

やがて男性は私の前まで来ました。

「はい、おはようございます。いってらっしゃい」

目が合ったため、私は反射的に答えました。

「おはようございます」

ほんの小さな声でした。

そのまま男性が次へ行くものだと思っていたのですが、男性はぱっと表情を明るくすると、少し大きな声を出しました。

「14人に声をかけたけど、返してくれたのはお姉さんが初めてです」

「14人目で、やっと返してもらえました!」

私は一瞬、何を言われたのか分かりませんでした。

さらに男性は、周囲にも聞こえる声で続けました。

「やっぱり挨拶を返してもらえるとうれしいですね。ありがとうございます」

近くに並んでいた何人かが、こちらを振り返りました。

悪いことをしたわけではありません。それでも突然、自分だけがホームの中で取り上げられたような気がして、顔が熱くなりました。

男性には、私を困らせるつもりなどなかったのだと思います。むしろ、本当にうれしかったのでしょう。

ただ私は、そんなふうに注目されるとは思っていませんでした。

挨拶よりも、そのあとのほうが困った

男性は「ありがとうございました」ともう一度言うと、そのままホームを歩いていきました。

少しして電車が到着し、私は前に並んでいた人たちと一緒に乗り込みました。

すると、近くにいた女性が小さな声で言いました。

「びっくりしましたね」

私は思わず笑ってしまいました。

「まさか、あんなに大きな声で言われると思わなくて」

女性も少し笑って、「私もたぶん固まります」と返しました。

その一言で、ようやく肩の力が抜けました。

男性の挨拶そのものが嫌だったわけではありません。私が困ったのは、返事をしたことを突然みんなの前で取り上げられたことでした。

相手にとっては親しみのつもりでも、受け取る側には少し近すぎることもある。そんなことを考えながら会社へ向かいました。

翌朝も私はいつもの場所に並びましたが、あの男性の姿は見かけませんでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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