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「怖い課長」だと思っていた私、退職届を書いた休日、コインランドリーで会った相手

  • 2026.9.4
ハウコレ

会社では厳しい言葉しか聞いたことのない課長が、休日のコインランドリーにいました。退職届を机に置いたままの私は、その場で初めて、自分が受け取っていた言葉の意味を聞くことになります。

洗剤の箱を抱えて入った先にいたのは、見慣れたスーツ姿とは違う課長でした。

削られた企画書

営業課に来て3年目になります。私は課長のことを、心の中で「怖い人」だと思っていました。会議で企画書を出したときも、返ってきたのは、「結論だけでいい。あとは削って」という言葉だけでした。

席へ戻り、企画書を最初から見直しました。でも、どこまで削ればいいのか分からず、自分が考えた内容そのものを否定されたように感じました。

課長は仕事ができて、迷うこともない人に見えていました。自分とは違う。そう考えるうちに、向いていないのは自分のほうだと思うようになりました。

家では退職届の書き方まで調べ、清書した紙を机の上に置いていました。

休日に見た課長

休みの日、洗剤を持って近所のコインランドリーへ行きました。戸を開けると、乾燥機の前に見覚えのある人がいました。眼鏡をかけ、首元の伸びたスウェットを着ています。

「課長ですよね」

そう言うと、課長は少し困ったように、

「見なかったことにしてくれる?」

と返しました。さらに、「家の洗濯機が壊れただけだから」と続けます。会社では迷わず指示を出す人が、自分の服装を気にして説明している。その姿が意外でした。

私は帰るきっかけを逃して、少し離れた椅子に座りました。

言えなかった退職の話

しばらくすると、課長が言いました。

「家でも課長やってるわけじゃないよ」

その言葉を聞いて、私は思わず口にしました。

「私、辞めようと思っていました」

企画書を削るよう言われたこと、自分には向いていないと思ったこと、退職届まで書いたことを話しました。課長は途中で遮らずに聞いていました。

「内容が悪いと思ったわけじゃないよ。言いたいことが多くて、結論が見えにくかったから削ってって言った」

と説明しました。初めて聞く理由でした。私は、厳しい言葉だけを見て、課長には迷ったり疲れたりすることもないと決めつけていました。

「その話、乾燥が終わるまでなら聞く」

と言われ、私はそのまま話を続けました。

そして...

退職届は、まだ机の上にあります。あの日話しただけで、迷いが全部なくなったわけではありません。ただ、週明けには企画書をやり直して課長の席へ持っていきました。

「結論から言います」

そう伝えてから、資料を開きました。今度は、直すところを2つだけ教えてもらいました。

これからも課長を怖いと思う日はあるかもしれません。それでも、言葉だけで意味を決めつける前に、分からないことは聞いてみようと思っています。コインランドリーで見たスウェット姿のことは、誰にも話していません。

(20代女性・営業職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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