1. トップ
  2. マンガ
  3. 「行きたくないなら、そう言ってよ」彼との初めての温泉旅行を断った私、スマホの通知で知られた理由

「行きたくないなら、そう言ってよ」彼との初めての温泉旅行を断った私、スマホの通知で知られた理由

  • 2026.9.3
ハウコレ

テーブルに置いたスマホが振動し、脱毛サロンからの予約通知が表示されました。そこにあった日付は、私が予定を理由に断った温泉旅行の候補日。隣にいた彼も、その画面を見ていました。

彼の部屋のローテーブルには、旅行サイトを開いたタブレットが置かれていました。隣に座ると、彼はうれしそうに画面をこちらへ向けました。

うなずけなかった温泉の誘い

付き合って1年になる彼とは、まだ2人で泊まりの旅行をしたことがありませんでした。画面には個室露天風呂の写真と、1か月ほど先の日付が表示されています。

「温泉、行かない?」楽しみにしているのが伝わってきました。

私も、本当は行きたかったのです。ただ、彼には話していない悩みがありました。腕や背中の毛が、人より濃いことです。学生の頃にからかわれて以来、肌を見せることが苦手になりました。夏でも長袖を選ぶことが多く、彼からプールへ誘われたときも、別の理由をつけて断ってきました。

数か月前から脱毛サロンへ通い始めましたが、施術はまだ途中です。しかも彼が選んだ日は、6回目の施術予約と重なっていました。予約だけなら、別の日へ変更することもできます。それでも、まだ気にしている部分を彼に見られる状態で温泉へ行くことのほうが、私には難しかったのです。

「その日は、予定があって」結局、言えたのはそれだけで、彼から予定の中身を聞かれても、うまく説明ができませんでした。

「行きたくないなら、そう言ってよ」

彼は少し黙ったあと、タブレットをテーブルへ置きました。「行きたくないなら、そう言ってよ」思ってもいなかった言葉でした。

「そういうことじゃないの」すぐに否定しました。それなら理由を話せばいいのに、体毛のことはどうしても口にできませんでした。その日は気まずいまま、いつもより早く彼の部屋を出ました。

帰宅してから何度かメッセージを書きました。それでも具体的な理由を書くところまで進めず、すべて消しました。彼に知られたくなくて隠しているのに、そのせいで「一緒に行きたくない」と思わせていることは分かっていました。

それから、彼とのやりとりは以前より短くなりました。私も何を送ればいいのか分からず、温泉の話には触れないまま数週間が過ぎました。

スマホに表示された予約日

数週間後、久しぶりに彼の部屋へ行った日のことです。温泉へ誘われた日も近づいていました。

帰り支度をしていると、ローテーブルに置いていた私のスマホが振動しました。画面に表示されたのは、脱毛サロンの予約アプリからの通知です。次回の予約が近づいていることを知らせるもので、サロン名と予約日が表示されていました。

「その日って……」隣にいた彼が、画面を見て言いました。表示されているのは、彼から温泉へ誘われた日と同じ日付です。もう別の予定だと言って終わらせることはできませんでした。

私はスマホを手に取り、言いました。「腕とか背中の毛が濃いの。ずっと、言えなくて」学生の頃にからかわれたこと。肌を見せる場所が苦手なこと。プールを断ってきたのも、そのためだったこと。温泉へ行きたくないわけではなかったことまで、続けて話しました。

彼は少し黙ったあと、言いました。「勝手に、俺とは行きたくないんだって決めつけてた。ごめん」そこで初めて、彼も私に冷められたと思っていたことを知りました。

そして...

温泉は、そのまま予定に入れ直すことにはしませんでした。

彼も、旅行の日を先に決めるのではなく、「いつなら行けそう?」と聞いてくれるようになりました。私も、彼を不安にさせて断るのではなく、言える範囲から話すようにしています。

あの日まで感じていた恥ずかしさが、全部なくなったわけではありません。それでも、理由を隠したまま彼に「一緒に行きたくない」と思わせるより、話してよかったと思っています。

(20代女性・アパレル販売員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ