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残酷な現実を前に、ふたりが選ぶ結末は? 怪異を食べる神さまと少年が紡ぐオカルト青春ストーリー『303号室の神さま』が第3巻にて完結!【書評】

  • 2026.9.2

【漫画】本編を読む

怪異を食べる「神さま」と、不登校の少年。不思議で少し切ない出会いから始まった物語が、ついに完結を迎える。『303号室の神さま』(ふに・無9/KADOKAWA)は、オカルトや青春、そして淡い恋心を織り交ぜながら描かれてきたジュブナイルストーリーだ。

物語は、不登校の高校生・晃が、人知れず怪異を食べて生きている「神さま」の少女・有鹿と出会うことから始まる。怪異を引き寄せる体質の晃は、有鹿にとって食事を得るための都合のいい存在であり、そしてもともと人間だった有鹿の「青春がしたい」という願いを叶えてあげるべくともに行動することになる。やがてふたりが互いにとってかけがえのない存在へと変わっていくのが本作の大きな魅力だ。

完結巻となる第3巻では、怪異が出現しつつも穏やかな日常が大きく動く。神さまとして新たな命を与えられた過去を持つ有鹿と、彼女のそばにいることを決めた晃。しかし町には怪異があふれ始めていた。平穏を取り戻すには、有鹿を神としてこの土地に縛り、祀らなければならないという残酷な現実が突きつけられる。これまで過ごしてきた青春の日々も、ふたりの関係も終わりへ向かい始めるなか、それぞれが選ぶ答えがストーリーを大きく動かしていく。

怪異との戦いやオカルトな展開のなかに織り交ぜられた、有鹿と晃の距離の変化が胸を打つ。最初は利害関係から始まった出会いだったが、互いを思いやる気持ちは友情を超え、より特別なものへと育っていった。それでも甘い恋愛関係にはならず、町を襲う危機や「神さま」という過酷な宿命が常に付きまとうことによって、ふたりの笑顔や何気ない会話がいっそう切なく感じられるだろう。

決断を迫られながら、一歩ずつ心の距離を縮めてきた有鹿と晃の物語は、どのような結末を迎えるのだろうか。最後まで見届けてほしい。

文=ゆくり

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