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「2200円、入れといたよ」22円を100倍にして返した恋人。だが、私が本当に伝えたかったこと

  • 2026.9.3

出ないでね、と伝えてからかけた電話

腕時計型の端末を買ったときのことです。

歩数などを確認するために選んだのですが、通話もできると知り、一度試してみたくなりました。

腕に向かって話すと、相手にはどんなふうに聞こえるのか。

ちょうど一緒にいた恋人に頼んで、私の端末から恋人のスマートフォンへ電話をかけてみることにしました。

ただ、通話がつながれば料金がかかります。ほんの少しとはいえ、機能を試すだけなら呼び出し音が鳴るところまで確認できれば十分でした。

そこで、かける直前に恋人へ言いました。

「ちょっと試すだけだから、出ないでね。つながると22円かかっちゃうから」

恋人もこちらを見ていたので、伝わったと思っていました。

ところが呼び出し音が二回ほど鳴ったところで、端末から「もしもし」と声が聞こえてきたのです。

「え、なんで出るの?」

驚いてすぐに通話を切ると、恋人は「あ、ごめん。鳴ったから、つい」と笑いました。

ほんの数秒のことですし、22円そのものが惜しかったわけではありません。

ただ、「出ないでね」とわざわざ伝えた直後だったので、私の言ったことを軽く流されたような気がして、少し引っかかりました。

けれど、それを説明すると「たった22円で怒っているみたいに思われそう」で、その場ではうまく言葉にできませんでした。

「100倍にしたから」で、余計に違うと思った

翌日、恋人は昨日のことを覚えていたようで、少し得意そうに言いました。

「昨日の22円、ごめん。財布に入れといたから」

「いくら?」

「2200円。ちょうど100倍」

財布を見ると、千円札二枚と小銭が入っていました。

冗談も込めて、多めに返せば私が笑うと思ったのでしょう。悪気がないことは分かりました。

でも、私は2200円を取り出して恋人に返しました。

「いや、お金が欲しかったわけじゃないんだよ」

恋人は少し戸惑った顔をしました。

「じゃあ、何が嫌だったの?」

「出ないでねって言ったのに、普通に出たこと。私が言ったこと、聞いてなかったのかなって思っただけ」

そう伝えると、恋人は少し黙ったあと、「ああ、そっちか」と小さくうなずきました。

そして2200円を見ながら、苦笑いしました。

「100倍にしたら、余計にお金の話にしてるな」

その言葉を聞いて、私もようやく笑えました。

大げさに謝ってほしかったわけでも、22円を返してほしかったわけでもありません。ただ、私が何を気にしていたのかを分かってもらいたかったのだと思います。

後日、友人にこの話をすると、「22円から2200円になるの、ずいぶん高くついたね」と笑われました。

今でも、あのとき引っかかった理由は覚えています。嫌だったのは金額ではなく、話の途中を飛ばされたように感じたことでした。

それ以来、何かを試すときに「今はこうしてね」と頼むと、恋人は前よりきちんと聞いてくれるようになりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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