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【団地のふたり】元「超新星」ソンモがキレッキレ!夏祭りステージと、脇に回るキョンキョンの妙 第5話

  • 2026.9.2

【団地のふたり】元「超新星」ソンモがキレッキレ!夏祭りステージと、脇に回るキョンキョンの妙 第5話

一昨年、NHK BSで大きな話題を呼んだ「団地のふたり」が、NHKドラマ10で地上波放送に。小泉今日子と小林聡美が演じる50代の幼なじみと、団地に暮らす人々との何気ない日常を、やさしいまなざしで描いた名作です。もう一度楽しみたい人も、初めて見る人も、その見どころを振り返ります。 ※ネタバレあり

このドラマに流れる独特のリズム

暑いときは部屋でゴロゴロ、実はこれが一番贅沢な過ごし方なのかもしれない。いまは大学も休みで、ノエチ(小泉今日子)はいつも以上になっちゃん(小林聡美)の部屋に入り浸っている。ただ今年の夏は、元気な若者たちとの濃い付き合いで、どうやらのんびりもしていられなさそうだ。

そもそもこの時期は、恒例の「夏祭り」が控えているので団地の中は騒々しい。関係者のテンションは上がりっぱなしで「カラオケ歌合戦」に出場する福田さん(名取裕子)は「天城越え」のお披露目準備に余念がない。もちろんこの舞台では、ノエチたちも“コンビ”での共演が予定されている。

ある日、ふたりはあることをきっかけに若い夫婦と知り合いになる。やんちゃで気のいい大工さんの夫と妻(沙耶香ちゃん)は目立つ行動をとりがちで、近隣からの評判が芳しくない。子育て中の沙耶香ちゃんはいろんなフラストレーションがたまっていることもあり、なっちゃんの家にしょっちゅう来ては、グチを吐き出して帰っていく。

彼女が部屋を去ったあと、どっと疲れるふたり。なんだかいつもと調子が違って、戸惑ってしまう。いい子だということは分かっているけれど、元気が有り余っているからか、自分たちが相手をするのはちょっとヘビーだ。

このあたりの受け止め方を丁寧に描くあたり、このドラマらしく、そして共感できるポイントではなかろうか。相手のことを否定しないけれど、自分たちのスタイルをくずさない。そして、ふたりの間に流れる時間はゆったり、が原則。このドラマに流れる独特のリズムが、多くの人をズルズルとはまらせていくのだと思う。

そして、たとえばなっちゃんが一日の終わりに印象的な出来事をイラストで表現するシーンは象徴的だ。パジャマ姿で机に向かって黙々と絵を描くシーン。この静かな時間の「間」で一呼吸おいたあとに完成したイラストを味わえることで、見ているこちらもゆったりとした気持ちになれるのだ。

さて、この若夫婦はその後「2億円のロトを紛失」というお騒がせ事件を起こす。もちろん、そこはお察しのとおりで「実はハズレくじでした」という顛末だが、住人が力を合わせてお宝くじ1枚を探す場面では、少し胸が熱くなってくる。普段はツンケンしている者同士でも、このときばかりは一致団結して動く。だから結果的に取り越し苦労だったとしても、手伝った側から笑顔とともに「いい夢見せてもらったわ~」という言葉がこぼれて、すがすがしい気持ちが残る。

そして見ているこちらも、2億円が当たらなかったこと(夫婦の人生が大きく変わらなかったこと)にホッとして、ここでの暮らしを応援したくなってくる。

目玉となるのは、「夏祭り」のステージ!

……と、ここまででひと盛り上がりするのだが、この回の目玉となるのは、なんと言っても「夏祭り」のステージ。この物語は全体を通して音楽(歌謡曲)が大事な役目を果たしているので、当然ながらこのシーンへのスタッフの思い入れは強かったと思う。祭り会場のステージ上の演者、観客の両方の盛り上がりをバランスよくとらえて、ライブとして見応えがある場面になっている。

そしてハイライトとなるふたり(と、春菜ちゃん、コンビニバイトのユン君)のステージがいい。まず、ノエチとなっちゃんが脇役になっていて意表を突いてくる。われらがアイドル!のキョンキョンは右端で、メインボーカル兼ダンサーである春菜ちゃんを見守りながら控えめに踊っている。

そして向こう隣はユン君。演じているのは元「超新星」のメンバーのソンモで、本物のK-POPアイドルがキレッキレのダンスを披露する。そして左端の小林聡美の一挙一動がチャーミング。ときおり「林檎殺人事件」のときの樹木希林を彷彿とさせるようなコミカルな動きをみせ、どこか昭和な空気を醸しているのがナイスだ。

観客席にいるメンバーも、やる気満々。佐久間のおばちゃん(由紀さおり)はバッチリ決まった浴衣姿で、ヘアスタイルも艶やか。団地の夏祭りの日に頑張りすぎかとも思うが、これはおそらく色っぽい福田さんへの対抗心のあらわれと見た。

そして大物歌手である由紀さおりがステージに上がらない演出がこれまた憎い。ドラマではあくまでもコメディエンヌを貫いている。

ステージから降りたふたりは、慣れない振り付けのダンスを踊って「1カ月くらい筋肉痛になりそう」なほどバテている。でもそれだけじゃない。若い人たちと一緒に新しい挑戦をして、表情はいつになく高揚感で満たされている。そう、中年だって、いろんな可能性を秘めているのだ!

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