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初デートなのに1円単位のワリカン!? 「女はおごられて当然」と信じていた34歳・婚活女性が恋を通して価値観をアップデート!【書評】

  • 2026.8.31

【漫画】本編を読む

『「女はおごられて当然」と思ってる昭和引きずり女が、婚活した話』(コニシナツコ/KADOKAWA)は、「デート代は男性が払うもの」という価値観を当たり前と思っていた34歳の女性が、合理主義者である年下男性との出会いをきっかけに、自分自身の固定観念を見つめ直していくラブコメディ。恋愛を描いた物語でありながら、「当たり前」という価値観を問い直す作品でもある。

主人公は婚活中の34歳・脇田アイコ。マッチングアプリで出会った年下男性・こうきは、大手IT企業に勤める好青年。こうきは見た目も悪くなく、結婚願望もある。「この人なら将来も安泰かも」と期待を膨らませるアイコだったが、初デートで提示されたのは、まさかの「1円単位の割り勘」だった。「女はおごられることで大切にされていると感じる」と考えるアイコに対し、こうきは「それって対等じゃなくないですか?」と冷静に問いかける。

本作は、けっしてどちらか一方の価値観を否定はしない。アイコの考え方は今は「昭和的」と笑われがちだが、それは彼女がこれまでの恋愛や社会の中で身につけてきた価値観でもある。一方のこうきも、合理性だけを押しつける人物ではない。互いの考えをぶつけ合いながら、「恋人同士にとって本当の対等とは何か」を少しずつ探っていくのだ。

読み進めるうちに、「おごる、おごられる」という話だけではないことにも気づかされるだろう。結婚したらどちらが家事をするのか、仕事と家庭をどう両立するのか、お金の管理はどうするのか。恋愛や結婚には、それぞれが無意識に抱えている「当たり前」が数多く存在し、それが大なり小なりふたりの問題となる。そのひとつひとつをユーモアたっぷりに描きながら、「自分ならどう考えるだろう」と読み手に問いかけてくる。

もちろん、恋愛観や結婚観に正解はない。しかし、自分の価値観を一度疑い、相手と話し合うことで、新しい答えが見えてくることもあるはずだ。本作は、婚活中の人はもちろん、パートナーとの関係を見つめ直したい人にもおすすめしたい、笑って考えさせられる作品である。

文=七井レコア

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