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「でも私、これだけなんです」混雑するレジで順番を抜かした女性。だが、何も言えなかった私の後ろから聞こえた一言

  • 2026.8.30
「でも私、これだけなんです」混雑するレジで順番を抜かした女性。だが、何も言えなかった私の後ろから聞こえた一言

「えっ」と思ったのに、声が出ませんでした

仕事帰りにスーパーへ寄ったときのことです。夕方で、どのレジにも数人ずつ並んでいました。

私も晩ごはんの材料を入れたかごを持ち、真ん中あたりの列に並びました。あと二人くらいで自分の番、というところまで進んだときです。

横から一人の女性が近づいてきて、私の前にすっと入りました。

「ごめんね。ちょっと急いでるから」

そう言って笑ったものの、私の返事を待つ様子はありません。

「え…」

思わず声が漏れました。

女性のかごを見ると、入っているのは数点だけでした。急いでいるのかもしれません。それでも、私も後ろの人たちもずっと並んでいます。

「あの…」

そこまで言いかけて、私は黙ってしまいました。

「並んでいます」と言えばいいだけなのに、周りの人に聞かれると思うと急に声が出なくなったのです。

前の人も、後ろの人も何も言いません。レジの店員さんも会計に忙しく、こちらの様子には気づいていないようでした。

私はかごの持ち手を握り直しました。

たった一言なのに言えない自分が、少し情けなくなりました。

「いや、みんな並んでますよ」後ろから声がしました

やがて前の人の会計が終わり、女性が商品をレジ台へ置こうとしました。

その瞬間、私の後ろから男性の声がしました。

「すみません。そこ、みんな並んでますよ」

女性が振り返ります。

「でも私、これだけなんです。すぐ終わるから」

少し困ったような、納得できないような顔でした。

すると男性は声を荒らげることなく、もう一度言いました。

「急いでるのは分かりますけど……こっちもみんな待ってるので」

その声で店員さんもようやく状況に気づいたようでした。

「申し訳ありません。最後尾からお並びいただけますか」

女性は一瞬黙り、それから列の後ろを見ました。

「……分かりました」

少し不満そうではありましたが、商品をかごへ戻し、そのまま最後尾へ歩いていきました。

誰かが笑ったり、さらに責めたりすることはありませんでした。

それが、少しほっとしました。

列がまた動き始め、私の番になりました。

店員さんが商品を通しながら、小さな声で言いました。

「お待たせして、すみませんでした」

「いえ、大丈夫です」

そう答えながら、私は少しだけ後ろを振り返りました。

先ほどの男性は、もう何事もなかったように自分のかごを見ています。

帰り道、私はあの人の「みんな待ってるので」という言葉を何度も思い返しました。

強く怒らなくても、相手を言い負かさなくても、必要なことは伝えられるのだと思いました。

次に同じような場面に出会ったら、せめて「すみません、並んでいます」と一言くらいは、自分で言えたらと思っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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