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入れればラッキー、9席だけのカウンター。名物酒場のDNAを継ぐ京都〈かみや〉

  • 2026.8.31

街と自然とが近いように、観光地と日常とが近いのも京都らしさ。名所のすぐそばに暮らしがある街で、今注目したいのはオーナーのセンスが光る個人店。独自のスタイルを貫きつつも、背伸びさせない安心感もある京都〈かみや〉を案内したい。

photo: Yoshiko Watanabe / text: Mako Yamato

京都〈かみや〉店内
BRUTUS

店主の河上雅彦さんは、木屋町の名物居酒屋〈きみや〉を長年支え続けてきた経歴の持ち主。
「ここの大家さんは、もともと〈きみや〉のお客さん。ご自身の店を閉めるタイミングで声をかけてもらって」という縁で独立することになったという。

木屋町通に面した細い階段を上がった先にある〈かみや〉は、こうして誕生した。17時の開店と同時に埋まり始める9席のカウンターは、入れればラッキーという気持ちで挑みたくなるスペースだ。

京都〈かみや〉入口
木屋町通の四条と三条の真ん中あたり。席が空いているかドキドキしながら上る階段。

カウンターにずらりと並ぶ大鉢料理は、まさに〈きみや〉譲りのスタイル。とはいえ「両方の店に足を運んでくれる方も多いから」と、品書きがかぶらないよう趣向を凝らす。料理は煮込みや鴨ロース、真鯛の山椒オイルカルパッチョ、春巻などから、赤ウインナー焼きなどごくカジュアルな居酒屋メニューまで和洋折衷。

大鉢には若竹煮など日替わりの料理が盛り込まれ、席に着く前から「今日は何があるかな」と、大鉢を覗くのがお決まりの常連も。オープンしてまだ2年足らずとは思えない、安定感がこの店には漂っている。

京都〈かみや〉若竹煮
若竹煮580円。「できるものはハーフサイズでも」と一人客にも嬉しい心配り。

調理の合間に目配り気配り。無駄のない動きと、一見客の心もすっとほどく柔らかな物腰。常に笑顔の河上さんは「僕の役割はお客さん同士の橋渡し」だという。その絶妙な距離感に、隣り合う客同士の会話も自然と始まり、気づけばいかにも酒場らしい賑わいに包まれている。

店を後に、夜も更けた木屋町通を歩きながら、いい夜だったと残る余韻が心地よく酔わせてくれるのだ。

京都〈かみや〉店内
左から、キンカンなど季節の果物のチューハイ400円〜、二度揚げでバリッと揚った鶏唐揚げ750円はハーフも可、八丁味噌を使った牛すじこんにゃく煮込み550円は定番。

Information

かみや

住所:京都府京都市中京区材木町189-1 203
TEL:非公開
営:17時〜23時
休:日曜、不定休。営業の詳細はInstagramを。

2024年6月オープン。原則は予約不可。ただし一度足を運べば携帯番号を教えてもらえ、17時からのみ予約も可。

※20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。

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