1. トップ
  2. おでかけ
  3. 酒場にあってほしい正解が揃う京都〈にこみ鈴や〉。京都御苑を望む築100年の町家で新章が始まった

酒場にあってほしい正解が揃う京都〈にこみ鈴や〉。京都御苑を望む築100年の町家で新章が始まった

  • 2026.8.26

街と自然とが近いように、観光地と日常とが近いのも京都らしさ。名所のすぐそばに暮らしがある街で、今注目したいのはオーナーのセンスが光る個人店。独自のスタイルを貫きつつも、背伸びさせない安心感もある京都〈にこみ鈴や〉を案内したい。

photo: Yoshiko Watanabe / text: Mako Yamato

京都〈にこみ鈴や〉店内
BRUTUS

丸太町通の中でも、京都御苑に面する寺町通から烏丸通の間はひときわ特別感が漂う。この先ずっと変わることのない借景の緑が、なによりの贅沢だ。

2度の移転を経てその特等席に店を構えた〈にこみ鈴や〉。築100年の町家を改装した空間は、のびのびとした高い天井とコの字カウンターが賑わいを受け止める。移転を機に13時開店となった営業時間も、今や使い手たちの日常にすっかり溶け込んでいる。

京都〈にこみ鈴や〉外観
暖簾を掛ける前田さん。〈SUZUYA〉の白い文字は、かつての屋号に重ねて書かれた。

品書きには、近江牛もつ煮におでん、炭火で香ばしく焼き上げる柚庵焼(ゆうあんやき)、そして季節を味わう白和えなどから締めのカレーやにゅうめんまで。酒場にあってほしい正解が揃うのには、ちゃんと理由がある。オーナーの前田隆汎さんは古美術商でありながら、京都ではよく知られた飲み手でもあるのだ。

京都〈にこみ鈴や〉自家製のひろうす、ごま豆腐、豚足煮
自家製のひろうす350円やごま豆腐350円、豚足煮1本750円などのおでん。

足繁く酒場を巡る傍ら、自分が本当に欲しかった理想の場所を作り上げたのだから、その充実ぶりは言わずもがな。「豚骨だしのにゅうめんや、ご飯を少なめに注文するカレーをアテにするのもいいんです」。その要望に応え、カウンターに立つのは和食一筋の料理人・栗山和也さん。

「和食の軸は守りつつも、例えばおでんならその日仕込んだ牛すじや手羽先のだしが加わることで、日々味わいが変わります」。

ちなみにこの日のカレーは、コクがありつつもさらりとしたスープ仕立てだった。季節ごとに移ろう食材はもちろん、その日のささやかな揺らぎもまた魅力。暖簾(のれん)をくぐるたび、どんな一皿に出会えるのか。そんな期待がまた足を運ばせる。

京都〈にこみ鈴や〉店内
この日の旬野菜白和え700円は春菊、芽キャベツ、カブ、カリフラワー、干し柿。フルーツで甘味と酸味を加えるのが定番。奥はさば柚庵焼(半身)800円。生ビール600円。

Information

にこみ鈴や

住所:京都府京都市中京区丸太町堺町東入ル鍵屋町74
TEL:075-600-9656
営:13時〜21時LO
休:月曜・火曜
予約可

2025年8月移転オープン。〈有次〉製の銅鍋が京都らしさを感じさせるおでんは通年のメニュー。

※20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ