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「今日はこの時間、昨日より少ないね」数字ばかり気にしていた私。だが、常連がくれた一言で気持ちが一変

  • 2026.8.29
「今日はこの時間、昨日より少ないね」数字ばかり気にしていた私。だが、常連がくれた一言で気持ちが一変

レジの音が途切れない店で

若い頃、コンビニで働いていたことがあります。人通りの多い場所にある店で、朝も昼も夕方も、とにかくお客さんの多い店でした。

働き始めてしばらくすると、私は夕方の時間帯責任者を任されるようになりました。レジに立ちながら、品出しや揚げ物の準備をして、ほかの店員の休憩も順番に回します。

会計を終えて顔を上げると、もう次のお客さんが待っている。品出しを始めても、途中でレジに呼ばれる。そんな日が珍しくありませんでした。

責任者になってからは、自分が入っている時間帯の客数や売上も気にするようになりました。

「今日はこの時間、昨日より少ないね」

店長とそんな話をすることもあり、いつの間にか数字ばかりを見るようになっていました。

これだけ忙しかったのに、思ったほど伸びていない。昨日より多い、少ない。そんなことが気になって、お客さんの顔を見る余裕までなくなっていたのです。

ある日の夕方、いつもの常連が言った

その日も夕方からレジに列ができていました。

ようやく列が短くなったころ、何度も店で顔を合わせている常連のお客さんがやってきました。

私は商品を読み取り、袋に入れ、釣り銭を渡しました。

すると、その人が財布をしまいながらレジの後ろをちらりと見ました。

「今日もずっと忙しそうですね、大変でしょう」

思わず顔を上げました。

その人は続けて、「来るたびにお客さんが並んでますもんね」と笑いました。

それだけの言葉でした。

けれど私は、その日一日を数字でしか見ていなかったことに気づきました。

何人のお客さんが来たか。いくら売れたか。昨日より増えたか。そればかり考えていましたが、目の前には、実際に何度も店へ足を運んでくれる人がいたのです。

「ありがとうございます。今日は特に混んでいて」

そう返すと、その人は「やっぱりね」と笑って店を出ていきました。

隣のレジにいた同僚が、その背中を見ながら言いました。

「ちゃんと見てくれてる人、いるんですね」

私は小さくうなずきました。

翌日から忙しさが減ったわけでも、数字を気にしなくてよくなったわけでもありません。

それでも、レジに立ったときくらいは、数字ではなく目の前のお客さんを見るようにしようと思いました。

今でも忙しい店のレジを見ると、あの日の常連のお客さんの言葉を思い出します。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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