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「血の気が引きました」台風で空き家実家の窓が割れ…保険で直そうとして“青ざめた”見落とし【一級建築士は見た】

  • 2026.9.13
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「台風のあと、実家の窓が割れてると近所から電話が。保険で直そうとして、青ざめました」

そう話すのは、隣の市で暮らすAさん(40代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。実家は、父が約35年前に建てた一戸建て(築35年・4DK・延床約102㎡/土地約175㎡)。

昨年父が亡くなり、母が兄の家に身を寄せたため、実家は空き家になりました。Aさんは月1〜2回、風通しと郵便物の確認に通ってきました。火災保険は父の契約がそのまま残り、住まなくなったことを保険会社へ伝える必要があるとは考えたこともありませんでした。

住まなくなったことは、伝える決まり

火災保険は、建物がどう使われているかを前提に組まれ、人が住む家として掛けた保険は、実際に人が住んでいることが条件です。契約のあとで使われ方が変わったときは、遅滞なく保険会社へ伝える決まりが約款にあり、通知義務と呼ばれます。空き家になることも、多くの契約でこの変化に当たります。伝えないままだと、契約を解除されたり、いざというときに保険金が支払われなかったりする場合もあるのです。

割れた窓の前で、1年前を思い出す

台風の数日後に駆けつけると、2階の窓ガラスが割れて雨が吹き込んだ跡がありました。飛来物によるガラスの破損は、風災として保険の対象になり得る損害です。

ところが、保険会社へ電話する前に保険証券を探し出すと、契約は父が住んでいたころのまま。不安になって調べるうちに、住まなくなったら伝える決まりがあると知り、血の気が引きました。昨年、実家が空き家になったときに済ませておくべき連絡を、していなかったのです。

空き家は火事や損害のリスクが高いとされ、住宅向けの契約を続けられるかは、保険会社や状況によって異なります。家財が残り管理されているといった条件で続く場合もあれば、別の契約への切り替えになる場合もあります。

今回の窓と、これからの契約

Aさんは正直に事情を伝えました。担当者は、家財が残っていること、月1〜2回の管理を続けてきたこと、空き家になった時期をひとつずつ確認。

そのうえで、今回の窓の修理代(約5万円)は、保険金の支払い対象になりました。契約は名義を引き継いで空き家向けの内容に切り替え、保険料は少し上がっています。窓は応急処置としてふさいだうえで、工務店に交換を依頼しました。

実家が空き家になったら

空き家にこそ、台風や飛来物への備えが要ります。父の保険を解約せずにいたこと自体は、幸いでした。一方で、掛けてあるだけでは足りず、契約を実態に合わせておくことが欠かせません。

・住まなくなったら保険会社へ連絡。契約の種類や保険料が変わる場合がある
・伝えないままだと、契約の解除や保険金が支払われない場合もある
・解約は逆に危険。空き家でも台風や飛来物の損害は起こる
・名義や連絡先の変更、証券の保管場所も家族で確認しておく

実家の鍵と一緒に、保険証券の保管場所も引き継いでおいてください。

参考:損害保険Q&A・告知義務と通知義務(日本損害保険協会)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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