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隣人「ちょうどよかった…」築40年の実家を2年間空き家に→半年後、50代Aさん目撃した“異様な光景”

  • 2026.9.8
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

親が長年暮らしてきた実家を相続したものの、自分が住む予定はない。そんなとき、「すぐに売るのは寂しいから、とりあえず残しておこう」と考える方もいるのではないでしょうか。思い出の詰まった実家であれば、売却や解体をすぐに決断できないのも自然なことです。

しかし、誰も住まなくなった家を定期的に管理できない状態が続けば、建物だけでなく庭にも思わぬ変化が生じることがあります。

今日は、父親から実家を相続した50代のAさんが、「しばらく残しておこう」と考えていたことで直面した、思わぬ問題をご紹介します。

相続した実家を空き家のまま所有

私が不動産会社で仕事をするなかで、実家などの空き家についてご相談を受けることがあります。50代のAさんも、そんな悩みを抱えていた一人でした。

Aさんは2年前に父親を亡くし、地方にある築40年ほどの戸建て住宅を相続。自身は離れた地域に持ち家があり、仕事や家族の生活もあるため、実家へ戻って暮らす予定はなかったそうです。

それでも、長年家族で暮らしてきた思い出のある家です。

「すぐ売ってしまうのも寂しいし、しばらく残しておこうと思ったんです」

Aさんはそう考え、ひとまず空き家のまま所有することにしました。相続した当初は、2〜3ヶ月に一度実家へ足を運び、室内の換気や郵便物の確認、庭の草刈りなどを行っていたといいます。

しかし、時間が経つにつれて、仕事や家庭の予定が重なり、実家へ足を運ぶことが難しくなっていきました。せっかくの休日に遠方まで出向き、掃除や草刈りをすることも次第に負担に感じるようになったそうです。

「次の連休にまとめてやればいいか」

そう考えて管理を先延ばしにするうちに、実家を訪れる間隔は少しずつ空いていきました。

半年ぶりの実家。門の外から見えた“異変”

その年の夏も、Aさんは実家へ行こうと考えていました。

しかし、猛暑のなかで草刈りをするのは大変だと考え、「もう少し涼しくなってからにしよう」と先延ばしに。気付けば、最後に実家を訪れてから半年近くが経過していました。

9月の連休を利用して久しぶりに実家を訪れたAさんは、門を開ける前から庭の異変に気付いたといいます。

「ん?こんなに草、伸びてたっけ…」

敷地には雑草が生い茂り、以前とは様子が変わっていました。庭へ入ってみると、場所によっては背丈近くまで伸びている雑草もあります。

さらに庭木を確認すると、枝が大きく伸び、一部は隣家の敷地まで越境していました。Aさんが庭の様子を確認していると、隣人から声をかけられます。

「ちょうどよかった。夏の間に枝がかなり伸びてきて、こちらの敷地にも入ってきているんですよ」

以前から庭木の枝が気になっていたようで、Aさんは慌てて謝罪しました。

「すみません。こんなに伸びているとは思っていなくて…」

遠方で暮らすAさんは、実家を訪れるまで庭の変化に気付けませんでした。一方、隣人にとっては、自宅の敷地まで伸びてくる枝を日々目にする状況だったのです。

自分では手に負えず、想定外の管理費用が発生

Aさんは当初、自分で草刈りや庭木の剪定をしようと考えていました。しかし、庭全体に雑草が生い茂り、庭木の枝も大きく伸びています。限られた連休中に、一人ですべての作業を終わらせるのは難しい状態でした。

特に隣家の敷地まで伸びた枝は早めに対応する必要があると考え、専門業者へ剪定や除草を依頼することに。結果として、Aさんにとって想定していなかった管理費用が発生しました。

作業を終えて庭はきれいになりましたが、Aさんには新たな不安が残ります。

「これ、また半年来られなかったら同じことになるよな…」

今回きれいにしても、雑草や庭木は再び伸びていきます。さらに、空き家を所有し続ければ、放置による固定資産税の増税リスクがあるだけでなく、庭の手入れや建物の点検・修繕などにも費用がかかる可能性があります。

遠方から自分で管理を続けることに限界を感じたAさんは、このまま実家を残しておくべきなのか、家族と改めて話し合うことにしました。

「誰も住まないなら…」2年間残した実家を売却することに

家族で話し合うなかでは、空き家管理サービスを利用し、そのまま所有を続ける案も出たそうです。

しかし、遠方に住むAさんが自分で定期的に通うのは難しく、管理を外部へ依頼すれば継続的に費用がかかります。また、築40年ほど経過していることから、今後は建物の修繕が必要になる可能性も。そして何より、家族のなかに将来この実家で暮らしたいという人はいませんでした。

「思い出があるから残していましたけど、誰も住まないのに、この先ずっと管理だけ続けるのも違うのかなと思いました」

最終的に家族で話し合い、「これ以上傷んでしまう前に整理しよう」と決断。不動産会社へ売却査定を依頼することになりました。

もちろん、相続した当初に売却していればよかったと単純に言い切れるものではありません。長年家族で暮らした実家だからこそ、手放す決心がつくまでに時間がかかることもあるでしょう。

一方で、今後の方針を決めないまま空き家として所有し続ければ、その間も管理の手間や費用はかかります。

Aさんにとって、隣家まで伸びてしまった庭木は、2年間残してきた実家の今後を改めて考えるきっかけとなったのです。

空き家は「何もしない」という選択にも負担がある

空き家は、誰も住んでいなくても定期的な管理が必要です。

庭の雑草や庭木を放置すれば、隣地へ枝が越境するなど、近隣に影響を及ぼす可能性があります。また、建物も定期的に確認していなければ、不具合や傷みに気付くのが遅れてしまうこともあるでしょう。

特に、遠方にある実家を相続した場合は注意が必要です。最初は「数ヶ月に一度なら通える」と考えていても、仕事や家庭の事情によって、予定どおり訪問できなくなることもあります。

そのため、実家を相続したら「時間があるときに見に行く」と曖昧にせず、誰がどのくらいの頻度で管理するのかを決めておくことが大切です。自分や家族だけで管理を続けるのが難しい場合は、空き家管理サービスなどを利用する方法もあります。

また、今後も家族が住む予定がないのであれば、売却や活用を検討するのも選択肢です。「残しておく」「売却する」「活用する」のどれが適しているかは、家族の事情や物件の状態によって異なります。

大切なのは、実家をどうするか決められないからといって、管理まで先延ばしにしないことです。

久しぶりに訪れたときに「こんなに荒れているとは…」と後悔しないためにも、相続した早い段階から実家をどのように管理し、今後どうしていくのか家族で話し合っておきましょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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