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「昔からこんなもんだよ」築30年超の実家、帰省で見つけた“細いヒビ”を放置した後に届いた父からの連絡

  • 2026.9.7
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

久しぶりに実家へ帰ったとき、「こんなところに傷があったかな?」「前より外壁が汚れている気がする」などと、以前との違いに気付いた経験がある方もいるのではないでしょうか。毎日暮らしている家族にとっては見慣れた住まいだからこそ、少しずつ進む変化には意外と気付きにくいものです。一方、しばらく離れていた家族だからこそ、小さな異変が目に留まることもあります。

今日は、お盆休みに築30年以上の実家へ帰省した際、外壁に「細いヒビ」を見つけた方のエピソードをご紹介します。

お盆の帰省で気付いた“細いヒビ”

妻と子どもと暮らす30代のAさんは、お盆休みを利用して家族で数日間、両親が暮らす実家へ帰省しました。

実家は築30年以上の戸建て住宅。過去に外壁塗装をしたことはあったものの、大規模なリフォームは行っておらず、最近は外壁の点検や補修も特にしていなかったそうです。

帰省した翌朝、Aさんが庭に出たときのことでした。

何気なく家を見上げると、外壁の一部に細い線のようなものが入っているのが目に留まります。近づいて確認すると、それは外壁にできたヒビでした。

「ここ、ヒビ入ってない?前からあった?」

Aさんが父親を呼んで尋ねると、父親は外壁を見ながら、それほど気にしていない様子だったといいます。

「昔からこんなもんだよ。古い家なんだから」

言われてみれば、実家は築30年以上。外壁を改めて見渡すと、以前より色あせているようにも感じましたが、Aさん自身も最後にじっくり外壁を見たのがいつだったのか思い出せません。

「まあ、古い家なら多少のヒビくらいあるのかな」

両親も問題なく普段どおり生活しており、室内で気になる異変が起きているわけでもありません。そのためAさんも、次第に「急いで何かするほどではないだろう」と考えるようになりました。

結局、その時点では深刻なものとは考えず、ヒビを写真に撮って記録することも、専門業者へ相談することもありませんでした。

数日間の帰省を終えたAさんは、家族とともに自宅へ戻ります。

このときはまだ、お盆に何気なく目にした“細いヒビ”を、わずか数週間後にもう一度気にすることになるとは思っていなかったそうです。

後日、父から届いた「壁にシミがある」の連絡

9月に入り、実家周辺で風雨の強い日が続いた後、父親からAさんのもとへ一本の連絡が入りました。

「2階の部屋の壁に、今までなかったシミみたいなのが出てるんだよ…」

その言葉を聞いてAさんの頭に浮かんだのは、お盆の帰省時に見つけた外壁の“細いヒビ”でした。

「もしかして、あのヒビと関係があるのでは?」

心配になったAさんは、再び実家を訪れることに。

2階の部屋を確認すると、お盆のときには気付かなかったシミのような変色が壁に広がっていました。しかも、その場所は以前ヒビを見つけた外壁に近い位置だったそうです。

「こんなのは今までなかった。もしかして雨が入ってきてるのでは…」

お盆には「古い家なんだから」と気に留めていなかった父親も、今度は不安そうな様子。雨漏りの可能性も考え、そのままにせず、専門業者へ点検を依頼することにしました。

外壁だけを見ればいいわけではなかった

専門業者に実家を見てもらうと、雨水が浸入した疑いがあるとのことでした。しかし雨水の浸入が疑われる場合、目についた外壁のヒビだけを見て原因を決めつけることはできないと説明を受けました。

外壁だけでなく、シーリング(外壁材の継ぎ目や窓まわりなどを埋めて雨水の浸入を防ぐ材料)や窓まわりなども含めて確認し、雨水がどこから入り込んでいるのかを調べる必要があるとのこと。

実際に点検してもらったところ、外壁やシーリングには経年による劣化が進んでいる箇所が見つかりました。そのため、必要な補修と外壁のメンテナンスを行うことになったそうです。いつ頃から雨水が入り込んでいたのか、正確な時期までは分かりませんでした。

「あのとき、せめて写真を撮っておけば変化を比較できたのに。『古い家だから』で終わらせなければよかった」

Aさんは、お盆にヒビを見つけたときのことを振り返り、そう感じたといいます。

一方、父親も住宅の異変を意図的に放置していたわけではありません。毎日暮らしている家だからこそ、少しずつ進む変化には気付きにくいものです。父親も「古くなれば、このくらいは普通だろう」と考え、劣化のサインとして意識していなかったそうです。

「古い家だから」で済ませず、変化を記録する

外壁にヒビが入っているからといって、必ずしもすぐに雨漏りにつながるわけではありません。ヒビの幅や深さ、発生している場所などによって状態は異なるため、見た目だけで原因や緊急性を判断するのは難しいでしょう。

ただし、「昔からある」「古い家だから仕方がない」と自己判断し、そのまま長期間放置するのは避けたいところです。

気になる箇所を見つけたら、まずは写真に残しておくと、その後ヒビが広がっていないか、変色が進んでいないかなどを比較しやすくなります。室内にシミや変色が見られるなど、気になる症状がある場合は、必要に応じて専門業者へ相談することも大切です。

また、久しぶりの帰省は、実家の状態を改めて確認するよい機会でもあります。外壁だけでなく、軒裏やシーリング、窓まわりなどにも目を向け、「以前と変わったところはないか」という視点で確認してみると、家族が気付いていなかった変化が見つかるかもしれません。

お盆に帰省できなかった方のなかには、9月のシルバーウィークに実家へ帰る予定の方もいるでしょう。普段は離れて暮らしているからこそ気付ける変化もあります。

帰省した際には、家の内外をいつもとは少し違った視点で見てみてはいかがでしょうか。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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