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札幌も「見えない断層」で震度7?家族で備えを試せるおすすめの方法を防災士&気象予報士が解説

  • 2026.8.26

2026年7月28日、熊本県熊本地方でマグニチュード7.1の地震が発生し、熊本県宇城市と氷川町で震度7を観測。
この「令和8年熊本地震」の影響で、九州地方では電気や水などのライフラインが止まり、住宅が倒壊するなど大きな被害が発生しました。

熊本では2016年にも震度7の地震が発生していますが、いずれも原因となったのは「活断層」のずれでした。

熊本で起きたような地震が札幌でも発生したら…

札幌での大地震の可能性や被害の想定、災害への備えについてHBCウェザーセンターの気象予報士で防災士でもある篠田勇弥と一緒に考えてみましょう。

Sitakke

連載「気象予報士コラム・お天気を味方に」

札幌では大きな地震は少ない?

札幌は比較的地震の少ないマチというイメージを持っている方も多いかもしれません。

札幌の100年を超える地震の統計を振り返ると、最も大きな揺れを観測したのは平成30年北海道胆振東部地震の震度6弱でした。
札幌で震度5以上の揺れを観測したのも統計開始以来、この地震の一度のみです。

これだけ見ると「札幌で直下型の大地震は起こらないのでは?」と思ってしまうかもしれません。

しかし、札幌で大きな地震を発生させる可能性のある活断層は複数存在することがわかっています。

札幌の地下に「見えない断層」!?

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札幌市によると、札幌に関連する地震について調査をした結果、次のことがわかっています。

・札幌市直下の地盤に波打つ形状が見つかった
・過去の大地震の痕跡である「液状化跡」が見つかった
・現在も、札幌市直下で身体に感じないほどの地震が起きている

こうした調査をもとに、札幌市では市内に大きな被害をもたらす可能性がある5つの地震を想定しています。

中でも「月寒断層」「西札幌断層」「野幌丘陵断層帯」は、地表からは分かりにくい「伏在活断層」と呼ばれるタイプです。

札幌市の想定では、こうした地震が発生した場合、市内の一部で震度7の揺れとなる可能性があります。
地表に大きな断層が見えないから大地震が起こらない、ということではないのです。

もし冬の札幌で大地震が起きたら…

では、札幌で震度7クラスの地震が発生すると、どのような被害が考えられるのでしょうか。

札幌市の第4次地震被害想定では、特に大きな被害が想定される「月寒断層」の地震の場合、冬には揺れによる建物の全壊が約1万3500棟、半壊が約2万2800棟にのぼると想定されています。

北海道で特に怖いのが冬の震災です。

停電によって暖房が使えなくなることに加え、積雪によって救助や避難が難しくなることが考えられます。
札幌市の最悪のケースでは、冬の早朝に地震が発生した場合、凍死を含めて5000人近い死者が出る想定になっています。

Sitakke
「札幌市_第4次地震被害想定」を基に作成

冬は屋根に積もる雪の影響で、全壊棟数が夏の2倍近くになると見込まれています。

さらに、地震がおさまったあとも生活への影響は続きます。

上水道は夏でも復旧まで約19日、冬では27日。
電気も夏で約5日、冬で7日かかるという想定です。

震災は「揺れている数分間」だけを乗り越えれば終わりではなく、その後の数日、場合によっては数週間をどう生活するのかまで考えておく必要があるのです。

令和8年熊本地震から学ぶ

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「内閣府_令和8年熊本地震に関わる被害状況等について」を基に作成

7月28日に発生した熊本地震では、最大506か所の避難所が開設され、1万人近い人が避難しました。
また、4県で最大10万8100戸、熊本市だけでもおよそ2万戸が断水し、地震直後には約4万9000戸もの停電が発生しました。

さらに追い打ちをかけるように猛暑が西日本を襲い、熊本では地震発生日を含めて12日連続で35℃以上の猛暑日になりました。
この暑さの中、車の中に避難していた方が熱中症で亡くなる事態も起きています。

熊本地震では電力の完全復旧が4日、断水は特に被害の大きかった宇城市、氷川町、八代市で3週間経っても続いています。

熊本地震では、ライフラインの停止と過酷な暑さが重なり、地震後の生活にも大きな危険が生まれました。

この状況は、北海道にとっても他人事ではありません。

北海道で真冬に大地震が発生すれば、停電による暖房設備の停止が、そのまま凍死の危険につながります。
自宅で過ごせず、車中泊を選んだ場合にも、降り積もる雪によって車の排気口が塞がれ、一酸化炭素中毒を起こす危険があります。

一方で、近年は北海道でも夏の厳しい暑さが目立つようになっています。

防災用品を家に備えるだけではなく、「冬の寒さをどうしのぐか」「夏の暑さにどう対応するのか」まで、具体的に考えておくことが大切です。

「防災キャンプ」で備えを試そう!

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そこで私がオススメしたいのが、楽しみながら災害への備えを試すことができる「防災キャンプ」です。
水や非常食を買って置いておくだけでなく、実際に使ってみます。

例えば、電気が使えないことを想定してランタンだけで夜を過ごしてみる。
非常食を実際に食べてみる。
寝袋で寝てみる。
カセットコンロで食事を作ってみる。

避難生活を想定して、普段使っていない防災用品を試してみるのです。

実際にやってみることで、「ランタンが思ったより暗い」「この非常食は子どもが食べない」「寝袋だけでは寒い」など、備えているだけでは気づかなかったことが見えてきます。

家の中で試すだけでも十分効果的ですが、キャンプ場など、普段とは違う環境で一晩過ごしてみるのも一つの方法です。

Sitakke

私も実際に、キャンプ場に防災用品を持ち込んで試してみました。

何度も車中泊を経験している筆者でも、虫への対策や日中の暑さ、防災食の食べ方の工夫や選び方など、新たな課題が見つかりました。

特に北海道では、冬の停電も想定して、寝袋や防寒着、カイロなど「寒さをしのぐ備え」も重要になります。

防災というと少し堅苦しく感じますが、家族で一度「災害が起きたつもり」で過ごしてみると、今の備えで何が足りないのかを確認する良い機会になります。
災害が起きてから初めて使うのではなく、平常時に一度使ってみる。

それだけでも、いざというときの安心につながるのではないでしょうか。

出典:
・札幌市_札幌でも大地震が起こる…
・札幌市_札幌市の地震被害想定(第4次)
・内閣府_防災情報のページ_令和8年熊本地震による被害状況等について
・札幌市_平成30年北海道胆振東部地震~震災を忘れない~

連載「気象予報士コラム・お天気を味方に」

Sitakke

文: HBCウェザーセンター 気象予報士 篠田勇弥
札幌生まれ札幌育ちの気象予報士、防災士、熱中症予防指導員。 気温など気象に関する記録を調べるのが得意。 趣味はドライブ。一日で数百キロ運転することもしばしば。
HBCウェザーセンターのインスタグラムでも、予報士のゆる~い日常も見られますよ。

※掲載の情報は記事執筆時(2026年8月)の情報に基づきます。

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