1. トップ
  2. 暮らし
  3. 「ゴンゴン」「カンカン」50代男性が愛車の“異音”をフル無視→帰省中、ついに整備工場に搬送されて…?

「ゴンゴン」「カンカン」50代男性が愛車の“異音”をフル無視→帰省中、ついに整備工場に搬送されて…?

  • 2026.9.12
undefined
出典元:photoAC(画像はイメージです)

元自動車整備技術アドバイザーの松尾です。

シルバーウィークなどの連休は、普段より長い距離を車で移動する機会が増えます。

「車はちゃんと動いているし、少しくらい変な音がしても大丈夫」

そんな判断が、思わぬ高額修理につながることがあります。以前から付き合いのある知人で、50代男性のSさんも、帰省中にまさかのトラブルに見舞われました。

「ゴンゴン」「カンカン」と聞こえるエンジン音

シルバーウィークに遠方へ帰省していたSさん。高速道路を走っていると、エンジン付近から「ゴンゴン」「カンカン」という聞き慣れない音が聞こえてきたそうです。しかも、アクセルを踏み込むと音が大きくなります。

「最初はどうしたの?」

後日、私が尋ねると、Sさんはこう話してくれました。

「古い車だから、多少の音は仕方ないかなって思ったんだよね。普通に走ってはいたし」

確かに、車が動いていると「まだ大丈夫」と考えてしまう気持ちは分かります。しかし、エンジンから普段とは違う金属音が出ている場合、単なる経年劣化による音とは限りません。特に、アクセル操作に合わせて音が変化する場合は、エンジン内部などに何らかの異常が発生している可能性もあります。

ところが、この時点ではSさんはそのまま走行を続けました。

「オイル交換したばかりだから大丈夫」が落とし穴

しばらく走ったところで、今度はメーターパネルにオイル警告灯が点灯。普通なら、ここで「何かおかしい」と考えて停車するところです。

ところがSさんは、

「オイル交換したばかりだから、オイルが原因じゃないだろう」

と判断してしまいました。

ここには、大きな誤解があります。オイル交換時期を知らせる表示と、エンジンオイルに関係する警告灯は、同じものではありません。オイル警告灯は、単純に「オイル交換の時期です」と知らせるためのものではありません。エンジン内部の油圧が低下し、潤滑に関わる重大な異常が発生していることを示す警告です。そのため、「交換したばかりだから問題ない」とは言い切れません。オイル量が適正だったとしても、油圧など別の部分に問題が発生している可能性があります。

Sさんの場合、すでに「ゴンゴン」「カンカン」という異音も出ていました。それにもかかわらず、

「あと少しだから」

と走行を続けてしまったのです。

異音が大きくなり、ついに整備工場へ

さらに走行を続けると、エンジンから聞こえる音は次第に大きくなっていきました。アクセルを踏むたびに「ゴンゴン」「カンカン」と音が変化します。

「さすがに、これはおかしいと思った」

そう感じたSさんは、ようやく安全な場所に停車。その後、車は整備工場へ搬送されることになりました。

点検では、オイルの状態や量だけでなく、潤滑系統や油圧などを確認。さらにエンジン内部まで損傷が及んでいる可能性が考えられる状態でした。エンジンオイルに関係するトラブルは、異常が発生した段階ですぐに対処できれば、原因によっては比較的軽い修理で済む可能性があります。しかし、潤滑が十分に行われない状態でエンジンを回し続ければ、内部の部品に大きな負担がかかります。場合によっては、エンジン本体の修理や交換まで必要になることもあります。

Sさんも、

「オイル交換したばかりっていうのを、安心材料にしすぎた」

と振り返っていました。

どう判断すればいい?

では、同じような状況になったとき、どう判断すればいいのでしょうか。まず覚えておきたいのは、「オイル交換の時期」と「オイル警告灯」は別物だということです。オイルを交換した直後であっても、警告灯が点灯したなら「交換したばかりだから大丈夫」と決めつけてはいけません。もし安全に停車できる場所であれば、まず車を止めましょう。自分でオイル量を確認できる場合は、火傷を防ぐためエンジンが十分に冷えるのを待ち、取扱説明書などを確認したうえで点検する方法もあります。ただし、オイル量が適正だったとしても、それだけで原因が解決したとは限りません。

特に、今回のSさんのように「警告灯+異音」が同時に出ている場合は、より慎重な対応が必要です。「警告灯が一度消えた」「音が少し小さくなった」という場合も、それだけで安心するのは禁物。一時的に症状が収まっているだけの可能性もあるため、無理に走行を続けず、整備工場やロードサービスなどに相談するほうが安全です。

連休中は「今日中に帰りたい」「予定を変更したくない」という気持ちもあるでしょう。しかし、車のトラブルでは、予定を守るために走り続けた結果、修理費用や搬送の負担が大きくなってしまうことがあります。エンジンから普段と違う音がする、警告灯が点灯する。そんなときこそ、「まだ走れる」ではなく、「走れるうちに止める」という判断が大切です。

せっかくの帰省や旅行を台無しにしないためにも、車の異変を「あと少しだから」と軽く考えないようにしたいですね。


ライター:松尾佑人(二級ガソリン自動車整備士・二級ジーゼル自動車整備士資格保有)
新卒で自動車整備業界に入り、約8年間整備に従事したのち、現役メカニックに向けた故障診断アドバイザーや各種講習の講師として活動。年間約1,200件の技術相談に対応し、電気回路や配線図の読み解きを基盤とした電子制御システムの解説を得意としている。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ