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かつてミリオンを叩き出した“国民的アイドル”。グループ解散と独立を経た現在地

  • 2026.10.2
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2026年7月、「ローレンス グラフ シグネチャー コレクション」の新作披露イベントに出席した亀梨和也(C)SANKEI

20年前の2006年9月、都内で行われた『ベストジーニスト2006』の発表会。一般投票で頂点に立ったのは、歌手の倖田來未、そしてKAT-TUNの亀梨和也だった。当時20歳。2位の氷川きよしとの激戦を制し、手にした初めての栄冠だった。

だが、それ以上に目を引くのは、その日の着こなしだ。

ダボっとしたジーンズに合わせたのは、なんと女性モノの黒いレザージャケット。ドラマの収録などで忙しいなか、自分でコーディネートした私服だった。

事務所の先輩たちも受けてきた賞に、とても憧れていたと喜んだ亀梨は、その場で早くも「殿堂入りを目指して頑張りたいです」と宣言した。初受賞の20歳が口にした、あまりに大きな目標。だが、この威勢のいい一言は、単なる若気の至りでは終わらなかった。

“脱学生役”と熱狂の2006年

2006年という年は、亀梨和也というスターが時代の真ん中に躍り出た年だった。

この年の3月、KAT-TUNとして『Real Face』でCDデビューを果たすと、発売9週目で100万枚を突破。前年のドラマ『ごくせん』『野ブタ。をプロデュース』で役者として一気にブレークしていた亀梨の勢いは、とどまるところを知らなかった。

その年の夏、彼はフジテレビの月9ドラマ『サプリ』に出演する。伊東美咲演じる仕事一筋の年上CMプランナーに恋をするアルバイト青年役。それまで学生服を着る役が多かった亀梨にとって、スポーツ紙が“脱学生役”と報じたこの作品は、大人の俳優へと脱皮する試金石だった。制作発表では、共演の伊東が亀梨を、勘がよくてテンポがよく、やりやすい相手だと評している。

さらに同じ年には、日本テレビ系の主演ドラマ『たったひとつの恋』で綾瀬はるかと共演。傾きかけた町工場の息子という陰のある青年の役で、主題歌はKAT-TUNの『僕らの街で』だった。

アイドルとしてミリオンを手にし、役者としても新境地を切り拓く。そんな破竹の勢いの中で、ベストジーニストの初戴冠は成し遂げられた。

受賞を重ねて殿堂入りへ

翌2007年の発表会。2年連続の受賞は自信につながると話した亀梨は、着こなしについて「前回同様に私服。バランスが大事ですね」と続けた。発表会の晴れ舞台に、自らのアンテナで選んだ私服で臨む。

当時、ベストジーニストの殿堂入りを果たしていた事務所の先輩には、木村拓哉と草彅剛がいた。

3年連続となった2008年、亀梨は、先輩と並べるようにおごらず頑張っていきたいと語った。4年連続となった2009年も、来年も呼んでもらえるような活動をしていきたいと意気込みを語っている。

1年目の勢いのある宣言から、年を重ねるごとに、言葉には謙虚さがにじむようになった。それでも、殿堂入りという目標だけは、毎年同じ発表会の場で口にし続けた。

5年目の「200本安打」

そして2010年10月。亀梨は1年目の言葉通り、5年連続の受賞を果たし、念願の殿堂入りを決めた。同じく5連覇を果たした倖田來未とともに、男女同時の殿堂入りは史上初の快挙。亀梨は、その喜びを野球にたとえて「200本安打打った気分」と表現した。一発の長打ではなく、1本ずつ積み上げる安打のたとえだった。

いつか殿堂に入りたいと憧れていたことも明かし、「自分の人生において殿堂入りが起こるとは思わなかった」と感謝した亀梨。初年度の殿堂入り宣言は、決して計算ずくの自信から出たものではなかったのかもしれない。むしろ、憧れの場所に手を伸ばすために、あらかじめ言葉にして自分を追い込む。そんな彼なりの闘い方だったのだろう。

平日中心のソロツアーで見せた独立後の現在地

2025年3月。KAT-TUNの解散と同時に、亀梨は事務所を離れ、独立の道を選んだ。20年前、偉大な先輩たちの背中を追いかけていた青年は、いまは自身の名前ひとつでエンターテインメントの世界に立っている。

2026年7月には、12曲すべてが新曲となる初のフルアルバム『WAVE』をリリース。全国7都市13公演に及ぶ9年ぶりのソロツアーを完走した。

独立後の道のりには苦労もある。会場の確保が難しく、ツアー日程は平日が中心となった。それでも亀梨はステージで苦労話を明かしながら、これまでは本当にありがたい環境で仕事をさせてもらっていたと、改めて振り返った。

役者としても、守りに入る気配はない。2026年のWOWOW連続ドラマ『北方謙三 水滸伝』では、槍の名手・林冲を演じた。時代劇で武人を演じるのは初めてで、未経験だった馬上でのアクションを8カ月かけて基礎から叩き込んだ。

さらに2027年1月公開予定の映画『カイジ 人生リベンジゲーム』では、藤原竜也演じるカイジの宿敵・兵藤和也役に挑む。出演発表のコメントでは、公開まで「首をなが~くして」楽しみに待っていてほしいと呼びかけた。

20年前、レディースの革ジャンを身にまとった20歳の青年は、臆することなく殿堂入りの夢を口にした。環境も立場も変わった今も、ファンに次の楽しみを自分から告げている。


※記事は執筆時点の情報です

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