1. トップ
  2. エンタメ
  3. 自ら事務所に履歴書を送り→“たった3日”でドラマ出演が決まった【異例すぎる18歳】とは

自ら事務所に履歴書を送り→“たった3日”でドラマ出演が決まった【異例すぎる18歳】とは

  • 2026.9.29
undefined
2014年6月、写真集の発売記念握手会を行った入江甚儀(C)SANKEI

15年前の2011年9月、東京・タワーレコード新宿店で、18歳の入江甚儀は自身初となる写真集『JINGI 18』の発売記念握手会に臨んでいた。

高校最後の夏、テントを持って瀬戸内海の島を巡る一人旅を収めた一冊だ。当時の入江といえば、NHKの連続ドラマで初主演を務めている真っ只中だった。だが、写真集について彼が語ったのは、うどんと海、そして行きそびれたお祭りの話。きらびやかな主演俳優の肩書きの隙間から、等身大の18歳の夏休みがひょっこり顔をのぞかせる。

見どころは「うどん」と「海」 キメ顔よりも素の自分を

写真集の舞台となったのは、香川県の女木島と男木島。初めて訪れた瀬戸内海での3泊4日を、柔らかなトーンで知られる写真家・関めぐみが切り取っている。

発売を前に、入江は見どころとして「うどんを食べているところと海に入っているところです」と挙げていた。決めたポーズより、カメラを意識していない素の表情を見てほしい一冊だった。

もっとも、肌を見せたカットでは、腹筋のアップも披露している。スタッフがふざけた雰囲気を作ってくれたので、恥ずかしさはなく、楽しみながらの撮影だった。それでも握手会では、その腹筋に「これからもうちょっと鍛えたいので、80点」とストイックな自己採点を下してみせる。無邪気さと背伸びが、一冊の中に同居している。

夏休みに残した高校生らしい心残り

この年、入江は激動の夏を駆け抜けていた。

何度かのオーディションを経て連ドラ初主演を射止めたNHK『金魚倶楽部』で、入江は高校3年生の柊ハルを演じた。さらに同じクールには、テレビ東京『IS~男でも女でもない性~』にもレギュラー出演している。連ドラ2本を掛け持ちし、瀬戸内への一人旅にも出た夏だった。

それほどの夏を過ごした18歳が、握手会で学生最後の夏休みにやり残したことを聞かれて挙げたのは、あまりできなかったスポーツだった。そこで「あ、お祭りに行ってない!」と口にし、花火とか見に行っておけばよかった、と続けた。大役の手応えを誇るより先に、答えながら青春の忘れ物に気づいて、無念の表情を浮かべる。

当時、入江は大学進学を考えておらず、年齢に負けずできることを一つずつ増やしたいと語った。キラキラした瞳で語った抱負は、真っ直ぐだった。

早熟なプロ意識とふと見せる初々しさ

思えば、自ら事務所に履歴書を送り、所属が決まったわずか3日後にドラマ『絶対彼氏』への出演が決まった時から、彼はどこか早熟な輝きを放っていた。“シンデレラボーイ”とも称され、2008年のデビュー1年目から3クール連続で連ドラに出演し、舞台での初主演も経験。写真集を出した18歳の時点ですでに、現場で鍛えられたキャリアを持っていた。

それだけに、写真集と同時に瀬戸内の島で撮ったDVDの発売記念イベントでの一言が際立つ。映像の自分を見た入江は、「僕をのぞき見しているような気になった」と感想を語り、恥ずかしくて何とも言えない気持ちになったと続けた。プロとしての頼もしさと、カメラの前でふと生身に戻ってしまう照れくささが、この一言にはのぞいている。

うどんと海から15年 深みを増した現在地

それから15年が過ぎた2026年、30代を迎えた入江は、舞台と映画の両方で新しい役を控えている。

10月には、堤幸彦が演出を手がける舞台『ノッキンオン・ロックドドア THE STAGE』に出演し、謎めいた犯罪コンサルタント・糸切美影役に挑む。さらに2027年春には、スペインのシッチェス・カタロニア国際映画祭での上映も決まった主演映画『洗浄』の公開を控えている。

かつて瀬戸内の島でうどんを食べ、見に行けなかった花火を悔しがっていた18歳は、15年の歳月をかけて、国際映画祭に主演作を送り出す俳優になった。


※記事は執筆時点の情報です

の記事をもっとみる

注目コンテンツ