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20歳で“総額2000万”のジュエリーを身に纏った【トップアイドル】絶対的エースの今

  • 2026.9.28
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2011年9月、「ティファニー グレース」ブライダルジュエリー発表会に登場した前田敦子(C)SANKEI

15年前の2011年9月、ティファニーの新作ブライダルジュエリー発表イベントに、AKB48の前田敦子が登場した。ペンダントやリング、バングルを合わせ、身に着けた宝石の総額はおよそ1000万円。当時20歳の彼女にとって、ラグジュアリーブランドの発表会にセレブリティーとして出席するのはこれが初めてのことだった。

まばゆい輝きに包まれた前田は、「女の子に生まれてよかった」と感無量の様子だった。だが、司会者から「どんな人にジュエリーをプレゼントされたい?」と水を向けられると、「今はお母さんにネックレスをプレゼントしたい」と返している。

どんな人から贈られたいかと聞かれているのに、贈る側に回って母親を挙げる。グループの絶対的センターとして時代の真ん中に立っていた20歳の前田敦子。その気取らない真っ直ぐな受け答えに、彼女の素顔が凝縮されていた。

1000万円のジュエリーと「お母さん」

黒のドレス姿で現れた前田は、貴婦人をイメージし、きれいな女性になれればと思ったと語った。こんなに高価なジュエリーを身に着けたのは人生で初めてで、幸せだと語り、感激した様子だった。

話題が自然と結婚式へと及ぶと、まだまだ先の話だと思うけれど、すてきな結婚式を挙げられればと思って参考になったと言う。さらに、恋愛だけじゃなくて、自分にとっていいものを身に着けると幸せが訪れるのかなと思う、と20歳らしい素直な実感を語っていた。

いつかはすてきな人にプレゼントされたい、というアイドルとしての模範解答を前置きに添えつつ、口にしたのが母親へのプレゼントだった。1000万円を超えるダイヤモンドジュエリーを身にまといながらも、ふとした瞬間に家族への愛情が口をつく。

男子校の夏が明けたばかりの笑顔

思えば、この「女の子に生まれてよかった」という言葉には、少し面白い前段があった。このイベントのわずか10日前、彼女が主演を務めたドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス2011』(フジテレビ系)が最終回を迎えたばかりだったのだ。

前田が演じたのは、自分の運命を変えてくれた人を追って男装し、男子校に潜入する主人公・芦屋瑞稀。前田は髪をばっさりと切り、ひと夏を駆け抜けた。その主題歌こそが、AKB48の『フライングゲット』だった。

男子になりきっていた夏が終わり、迎えた秋の始まりに、ティアラの下で女の子に生まれてよかったと笑う。その文脈を知ると、あの一言がたまらなくチャーミングに響く。

孤独と戦った2011年

だが、その笑顔の裏で、2011年は前田敦子というアイコンにとって過酷で、ドラマチックな1年でもあった。同年6月の第3回AKB48選抜総選挙で、前年の悔しさを乗り越えて女王の座へと返り咲いたあの日、名前を呼ばれた前田は、座席から立ち上がるのがやっとだった。

この1年を、どこかで孤独に戦いながら過ごしてきたと、涙ながらに吐露した。そして、自分のことを嫌いな人もいるかもしれないと前置きし、声を振り絞って口にした「AKBのことは嫌いにならないでください」という言葉は、今も平成のアイドル史に刻まれる名言として語り継がれている。

その総選挙で選ばれたメンバーで歌ったのが『フライングゲット』であり、同年末、AKB48は念願の日本レコード大賞を初受賞。涙を流しながら、応援してくれた人たちや作詞の秋元康への感謝を口にする前田の姿があった。

翌2012年8月にはグループを卒業することになる彼女にとって、2011年はAKB48のエースとして駆け抜けた、最後の丸1年だった。

15年後のドレス姿に重なるもの

今年2026年の2月、前田は約14年ぶりにして“最後”と位置づけた写真集『Beste』を世に送り出した。ウィーンを舞台に、30代を迎えた女性の大人の恋をテーマに紡がれた一冊だ。

また8月には、出演ドラマ『ファーストクライ 母子救命救急班』(日本テレビ系)の公式Instagramで、ウエディングドレス姿が公開されて話題を呼んだ。ドラマでは、前田が演じる成宮忍が、だまされた男性との過去を忘れないため、ウエディングドレス姿の写真を今もスマートフォンに残しているという設定だった。

15年前、結婚式はまだまだ先の話だとティアラを着けて話していた彼女の花嫁姿を、時を経て画面越しに見つめる不思議。しかも甘いハッピーエンドではなく、人生の酸いも甘いも噛み分けた大人の役柄としてのドレス姿というのも、実に感慨深い。

写真集の発売に際し、前田は「私自身も撮影をしていて、好きな人がほしくなりました」と屈託のないコメントを残している。

大人の成熟を見せる最後の写真集で、そんなピュアな本音をあっけらかんと言ってしまう。1000万円超の宝石を前にして女の子に生まれてよかったと喜び、お母さんにネックレスを贈りたいと無邪気に語った20歳のあの声が、15年を隔てて、ふわりと重なって聴こえてくるようだ。


※記事は執筆時点の情報です

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