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15年続く大ヒットシリーズの【顔】人気俳優が「すべてをかけた」ほどの覚悟とは

  • 2026.9.29
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2011年9月、映画「探偵はBARにいる」大ヒット御礼舞台あいさつに出席した大泉洋(C)SANKEI

15年前の2011年9月、映画『探偵はBARにいる』の大ヒット御礼舞台挨拶で、主演の大泉洋は客席に向けて、早くもシリーズ第2作の製作決定を告げた。公開からわずか1週間でのスピード発表だった。

吉報を伝えた直後、大泉の口からふっとこぼれたのは、「よかったあ、ホッとしたよ」という飾らない一言だった。それも束の間、次は戦隊ものか、いっそアニメにして声だけ当てるかと、冗談を重ねて客席を沸かせ始める。照れくささを吹き飛ばすように饒舌になるその姿に、大泉洋という愛すべき表現者の人間臭さが凝縮されていた。

ほかの仕事が「わや」になるほど賭けた覚悟

『探偵はBARにいる』は、札幌・ススキノのバーを拠点にする探偵の〈俺〉(大泉洋)と、相棒である高田(松田龍平)が織りなすハードボイルド・エンターテインメントだ。

舞台挨拶でこぼした「ホッとした」という言葉の裏には、並々ならぬ覚悟があった。「この映画にすべてをかけましたから。ほかの仕事は『わや』だ」と本人はその場で明かしている。「わや」とは一部地域の方言で「めちゃくちゃ」の意味だ。

笑いを交えながらも、主演作にすべてを注ぎ込んでいた本気度が滲む。

続編の構想を問われた大泉は、監督から次はアクションをきちんと訓練しましょうと言われたことを明かした。

そこからが彼の本領だ。いっそ子ども向けの戦隊ものにして、松田龍平がやる気のないヒーローに変身するのはどうか、アニメにして自分たちはアフレコだけにする手もあると、ボケ倒しては会場を笑いに包む。嬉しさや重圧を一人で抱え込まず、客席を巻き込んだ笑いへと昇華させてしまうところが、大泉らしい。

「一生BARにいる」と誓った日

そしてシリーズは、その後も続いていく。2013年に第2作『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』、2017年には第3作が公開された。

第3作の大ヒット舞台挨拶もまた、2011年と同じ丸の内の劇場。東映の会長から、シリーズを作り続ける気構えだというサプライズの手紙が届くと、大泉はきっぱりと「探偵は一生BARにいるし、一生『水曜どうでしょう』も続けます」と応じた。

だが、隣に立つ相棒・松田龍平は手紙を見て少し考えてから、「一回持ち帰らせてもらっていいですか」とクールに返した。一生続けると言っている自分をよそに相方は持ち帰るのかと、大泉が「事務所の人間か!」とぼやく掛け合いは、まさに〈俺〉と高田そのものだった。そして大泉は、4作目の製作決定を壇上で堂々と勝手に宣言した。

9年ぶりの帰還と現在地

その後、大泉がぶち上げた「4作目」がついに現実のものとなる。2026年3月、シリーズ最新作『BYE BYE LOVE 探偵はBARにいる』の製作が正式発表され、12月25日のクリスマス公開が決定した。メガホンをとるのは白石和彌監督。もちろん、松田龍平も高田役として帰ってくる。

製作発表の場で、大泉は、久しぶりに探偵を演じて懐かしいと同時に、相変わらず自分はこの役が好きなんだと感じていると、しみじみ語った。街を歩けば、また続編が観たいと声をかけられることも多かったという。

松田から、なんで9年も空いたのか、別の仕事をしすぎた大泉さんのせいかとチクリと刺されると、自分のせいではない、自分だってやりたかったと返して、会場を笑わせた。

いまや大泉洋は、映画にドラマに引っ張りだこの俳優だ。12月の映画公開に先駆け、2026年10月10日からは日本テレビ系土曜ドラマ『俺たちの箱根駅伝』で、中継を背負うチーフプロデューサーという重責ある役に挑む。組織の不条理と闘う大人の役は、裏社会を泥臭く生きる探偵とはまた違う顔だ。

だが、どれだけ大作の主演を重ねようとも、彼には帰るべきホームグラウンドがある。15年前、続編決定の発表後に冗談を重ねた彼は、今や照れることもなく、この役が好きだと口にする。2026年12月25日、スクリーンの向こうで、大泉洋はどんなボヤキと笑いで私たちを迎えてくれるだろうか。


※記事は執筆時点の情報です

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