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15年前、CG使わず炎の中で撮影に挑んだ【イケメン俳優と犬】芝居の外にあった絆

  • 2026.9.22
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2011年9月、映画『DOG×POLICE 純白の絆』でインタビューを受ける市原隼人(C)SANKEI

今から15年前の2011年9月、映画『DOG×POLICE 純白の絆』の完成披露イベントに、市原隼人が相棒の犬・シロと登場した。炎の中での撮影を語る主演俳優は、自分が感じた熱さだけでなく、怖がるシロに声をかけていたことも話した。

体を張った撮影の話なら、俳優本人の大変さが前に出ても不思議ではない。そこへ、隣の相棒を気遣う声が混じる。市原の熱さは、自分一人が頑張る姿だけでは語り切れない。

刑事になりたかった青年の新しい相棒

『DOG×POLICE 純白の絆』で市原が演じたのは、警察官の早川勇作。刑事を志望していたが、配属されたのは警備犬と働く部署だった。そこで白い犬のシロと出会い、一緒に成長しながら事件に立ち向かっていく。

戸田恵梨香が演じる水野夏希も、犬と組む警察官だ。人間同士のチームに加え、一人と一頭の関係が、それぞれにある。仕事をする相手が、説明すれば必ず同じように動いてくれるわけではない。この映画の物語は、その事実から始まる。

勇作はシロの可能性を信じ、警備犬として育てようとする。一方で、その仕事には、人間を守るために犬が危険にさらされる厳しさもある。大切な相棒と働く喜びと、相棒を危険な場所へ連れていく重さが、同じ仕事の中にある。

かわいい犬が出る映画という期待で近づくと、ずいぶん違う課題に出会う。だからこそ、事件の大きさと同じくらい、勇作がシロをどう見るかが気になってくる。主演俳優と犬が、互いを知らないままでは成り立たない組み合わせだった。

自分の芝居に集中するだけでは済まない

2011年9月1日の完成披露では、CGをほとんど使わずに行った炎の中の撮影について、市原が語った。市原は熱さに驚いたことを明かし、その中でシロを安心させようと声をかけていたという。戸田や村上淳も、市原とシロの親密さに言及した。

大きな音や炎を前に、人間と同じように段取りを理解しているはずのない相手と撮る。自分の芝居に集中するだけでは済まない。その難しさが、相棒へのひと言として語られていた。

同じ2011年9月、大阪での公開記念イベントでも、市原はまずシロとの信頼を大切にし、シロに楽しんでもらうことを考え、その先に芝居の現場があるようにしたいと話している。厳しい役を演じるときも、相手にとって現場がどんな場所になるかを気にしていた。

勇ましい役柄を演じる人が、舞台裏でも同じように大きな声で引っ張るとは限らない。待つことや、遊ぶことや、安心させることも、相棒と作品を作る時間になる。市原が話す撮影の熱さには、そうした柔らかい手つきも含まれている。

生徒からの寄せ書き

2022年5月、『劇場版 おいしい給食 卒業』の舞台あいさつでは、別の相手に向けた市原の姿があった。生徒役の出演者たちが、サプライズで寄せ書きを届けに来たのである。

このシリーズで演じる甘利田幸男は、給食を愛する中学校教師。同じく給食に情熱を注ぐ生徒・神野ゴウと、よりおいしく食べるための勝負を繰り広げる。警備犬と事件に向き合った勇作とは、力を注ぐ場所も、作品の笑いの多さも違う。

会場では、生徒役の面々が狭いステージに上がれず、下から寄せ書きを差し出した。市原はひざまずいて受け取り、じっくり目を通した。その後は自分がステージを降り、目線を合わせて話した。

共演者と近い高さになるために、主演俳優のほうが動く。その小さな行動に、映画の真ん中に立つ人の別の顔があった。炎の中でシロに声をかけた2011年から、若い共演者の言葉を受け止めた2022年へ。市原隼人の全力ぶりは、隣にいる相手まで置いていかないところに、気持ちのよさがある。


※記事は執筆時点の情報です

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