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母からの電話は「あなたが間違っているわよ」。家事を彼女に任せきりだった俺の1週間

  • 2026.8.27
ハウコレ

彼女のいない部屋で、俺は初めて洗濯表示のタグを裏返しました。洗い物のたまっていく流しの前で途方に暮れていたころ、実家の母から着信が入ります。

母がやるのが当たり前の家で

俺の実家では、家事は全部母の仕事でした。父が台所に立つ姿を一度も見ないまま、俺は育ちました。同棲して3年、彼女に「ゴミ出しだけでも、お願いできないかな」と頼まれたとき、俺は「家事は女がやるもの」と返しました。深く考えて出た言葉ではありませんでした。彼女は蛇口を締めて、泡の残る手をタオルで拭いていました。その背中に、俺は続きの言葉をかけませんでした。次の日も食事は変わらず用意されていて、俺はそれを当たり前だと思っていました。

取り皿を置いた母

数日後の予定は、二人で行く俺の実家での食事でした。場をなごませるつもりで、俺は「こいつ、料理まだまだなんだよね」と笑いました。彼女は箸を置いて、口を開きました。「私も彼と同じだけ働いています。二人の生活なのに、家事だけは私の仕事になっているのが、ずっと苦しかったです」。初めて聞く、低い声でした。母は取り皿を置いて、俺のほうへ向き直りました。「あんた、それでいいと思ってるの」。俺はお茶を一口飲んだきり、湯のみの中ばかり見ていました。笑ってごまかせる空気は、もうどこにもありませんでした。

彼女のいない1週間

翌日、仕事から戻ると部屋は暗く、「1週間、姉のところにいます。その間の家のことは、お願いします」とメッセージが届いていました。俺は「わかった」とだけ返しました。次の日から、炊飯の予約を忘れ、洗剤の量を量り間違え、ゴミの日にも間に合いませんでした。流しに洗い物がたまっていく速さに、彼女の毎日を初めて具体的に想像しました。数日後、実家の母から電話が来ました。近況を聞かれ、彼女が家を出ていると話すと、母は言いました。「あなたが間違っているわよ」。父が座っているだけだった食卓を、母が何十年も一人で整えてきたこと。電話の向こうの声は、あの日の食卓の続きでした。

そして...

彼女が帰ってくる日、俺は部屋に掃除機をかけ、洗濯物を畳み、洗面所の壁に分担表を貼りました。玄関で「ごめん。今まで全部任せてた」と伝えて、その壁を指さしました。あれから、ゴミ出しと風呂の掃除は俺の担当です。今も洗濯機を回す前に、タグを裏返して洗濯表示を確かめています。

(20代男性・営業職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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