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「さっきの、アウトじゃなかった?」こそこそ文句を言っていたママたち。だが、私の一言で黙った瞬間

  • 2026.8.25
「さっきの、アウトじゃなかった?」こそこそ文句を言っていたママたち。だが、私の一言で黙った瞬間

笛を吹くたび、コートの外から声が聞こえた

息子が小学校六年生だった夏の話です。

私たちの地区では毎年、子どもたちが参加するドッジボール大会が開かれていました。

当日は会場が声援でにぎわいます。ただ、毎年なかなか決まらないのが審判役でした。

「さっきの、アウトじゃなかった?」

判定について保護者から声が上がることも多く、引き受けたがる人が少なかったのです。

この大会では、審判を担当する保護者が、朝のコート準備や試合進行の手伝いも兼ねていました。

私は息子の練習や試合を見る機会が多く、ルールにもある程度なじみがあったため、役決めのときに手を挙げました。

「私、やります」

大会当日、朝からほかの担当者と一緒にコートへ白線を引き、試合順を確認します。

試合が始まると、私は笛を首から下げてコートに入りました。

ところが何試合か進んだころ、コートの外から小さな声が聞こえてきました。

「今のはセーフじゃないの?」

見ると、保護者二人が顔を寄せて話しています。悪気があるというより、見ていてつい口に出してしまったのでしょう。

それでも、判定する側にははっきり聞こえました。

私はそのまま試合を続けましたが、似たような声はその後も何度か聞こえてきました。

笛を差し出しても、手を伸ばす人はいなかった

次の試合まで少し時間が空いたところで、私はその二人のところへ行きました。

「さっきから判定について聞こえているんですが、もしよければ代わってもらえますか」

二人は驚いたようにこちらを見ました。

私は責めるつもりはなく、その日の役割を簡単に伝えました。

「朝は白線を引いて、試合順を確認して、試合中はずっとコートを見ています。判定だけが仕事ではないんです」

そう言って、首から笛を外しました。

「今からでも代われますよ」

二人は顔を見合わせましたが、笛を受け取ろうとはしませんでした。

少し間があって、一人が小さな声で言いました。

「いえ……大丈夫です」

私はそれ以上何も言わず、またコートへ戻りました。

そのやりとりを近くで見ていた地区係の方が、次の試合から進行の声かけを手伝ってくれました。

「次の地区、呼んでおきますね」

それだけでも、試合に集中しやすくなりました。

さらに、先ほど判定について話していた保護者の一人も、休憩中にこちらへ来ました。

「次の地区、呼んできましょうか」

大げさな謝罪があったわけではありません。それでも、それ以降はコートの外から判定への不満が聞こえてくることはなくなりました。

見ているだけでは分からない役割の負担もあります。少しでも知ってもらえたことで、その日の大会は最後まで穏やかに進みました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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