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「社販価格で売ってよ」「お客様なんだから当然でしょ?」無理難題を要求してくる自称“お客様”がヤバすぎる【作者に聞く】

  • 2026.8.23
値引きをしろ、配送料をまけろとワガママ言いたい放題の粘田様。断ると「恩を仇で返す気?」と逆ギレが始まった。 ゆき蔵(@yuki_zo_08)
値引きをしろ、配送料をまけろとワガママ言いたい放題の粘田様。断ると「恩を仇で返す気?」と逆ギレが始まった。 ゆき蔵(@yuki_zo_08)

アパレル業界で約10年、接客の仕事をしてきたゆき蔵さん(@yuki_zo_08)。自身が実際に体験した出来事をベースに、接客業ならではの“あるある”や、思わず背筋が凍るような客とのやり取りを漫画で描いている。今回紹介する「その女性、ストーカー」では、最初は普通に見えた女性客が、店員への執着を次第に強めていく。仕事上がりの待ち伏せや尾行、最寄り駅の特定、さらには同僚になるための転職まで……。一度は退職した女性が、今度は客として店に戻ってきたことで、事態はさらに思わぬ方向へ進んでいく。実体験をもとに描かれた“恐怖の客”について、ゆき蔵さんに話を聞いた。

「お客様」と「店員」の境界線

この女性、ストーカー_P596 ゆき蔵(@yuki_zo_08)
この女性、ストーカー_P596 ゆき蔵(@yuki_zo_08)
問題を起こして退職し、また“顧客様”として戻ってきた… ゆき蔵(@yuki_zo_08)
問題を起こして退職し、また“顧客様”として戻ってきた… ゆき蔵(@yuki_zo_08)
この女性、ストーカー_P598 ゆき蔵(@yuki_zo_08)
この女性、ストーカー_P598 ゆき蔵(@yuki_zo_08)

粘田さん(仮名)は、初来店時には引っ込み思案な女性に見えた。しかし、ゆき蔵さんが接客したことをきっかけに距離を急速に縮め、やがて仕事以外でも執着するようになる。待ち伏せや尾行を繰り返し、ついには最寄り駅まで特定。ゆき蔵さんと同じ職場で働くために転職するという、常識では考えにくい行動にまで発展した。

その後、入社先で問題を起こして退職したことで一件落着かと思われたが、粘田さんは今度は顧客として店舗に戻ってくる。そこからさらに、店員を困惑させる要求が次々と飛び出していく。

こうした“お客様”について、ゆき蔵さんは「正直多いです」と明かす。「『買わなきゃお客様じゃない!』と言っているわけではありません。でもお客様と私達は友達ではないので、その辺の境界線が曖昧になってしまうと対応が難しくなりますね」と語る。

「あなたが自腹を切ればいい」!?

なかでも驚かされるのが、ゆき蔵さんに「社販で買って、私に譲って」と迫る場面だ。これほど明確な要求をされた経験は、ゆき蔵さんにとっても初めてだったという。「近いことを言われた経験はありますが、ここまでハッキリと要求されたのは初めてでした。基本的に百貨店には常識人のお客様が多いので本当にレアケースです」

さらに、会社のルールを理由に過剰なサービスを断ると、粘田さんは思いもよらない方向へ話を進める。「じゃあ、会社のサービスじゃなくていいよ」と言うのだ。つまり、会社ではなく、ゆき蔵さん自身に負担させようというのである。

「お客様だから」という意識が強くなりすぎた結果、店員との距離感を見失っていく粘田さん。その要求はそこで終わらず、ついには他店まで巻き込む騒動へと発展していく。

接客の裏側に潜む、身近な恐怖

本作は、単なるクレーム対応の話ではない。普通に見えた客が、少しずつ店員への執着を強め、気づけば生活圏にまで入り込んでくる。その過程がリアルだからこそ、読んでいる側にもじわじわと恐怖が迫ってくる。

しかも、ゆき蔵さんはアパレル業界で約10年接客を経験しており、作品では実際の体験をベースにしながら、店舗名や人物などは身バレしないようアレンジしている。接客業を経験した人なら「こんな客、いる……」と共感してしまう場面も少なくない。

“お客様は神様”という言葉だけでは片付けられない、店員と客の適切な距離。過剰な要求がエスカレートしていくと、日常の接客が一転して恐怖の時間へと変わってしまう。本作では、そんな接客業の知られざる一面が生々しく描かれている。

■取材協力:ゆき蔵(@yuki_zo_08)

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