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380円を貸しただけなのに、友人からスクロールしても終わらない謝罪文

  • 2026.8.23
ハウコレ

彼女の謝罪は、送金を済ませてもまだ続いていました。次の休みに会って聞いた理由は、彼女がこれまで話さなかった過去につながっていました。

レジ前で380円を貸しただけの友人から、帰宅後、3件に分かれた謝罪メッセージが届きました。

「ごめん、380円だけ貸してくれる?」

高校時代からの友人と、久しぶりにカフェで会った日のことです。近況を話すうちに時間を忘れて、席を立ったのはお互いの飲み物が空いてからでした。会計のとき、彼女の財布の小銭が足りなくなりました。

「ごめん、380円だけ貸してくれる?」

私は笑って端数を出しました。彼女はすぐに近くのATMに行こうとしましたが、私は次に会うときでいいと答えました。店を出てからも話は弾み、駅で手を振って別れるまで、彼女はいつも通りに見えました。

スクロールしても終わらない文面

帰宅して洗い物を終えた頃、通知が続けて3件届きました。開くと、彼女からの長い文章が並んでいました。

「今日は嫌な思いをさせてしまってごめんなさい」

書き出しから3件目の最後まで、段落を変えては謝る内容でした。380円はもう送金したこと、迷惑をかけたこと、こんな自分と一緒にいてくれてありがとう、とまで書いてありました。私は「大げさだよ」と打ちかけて、消しました。

文面のいちばん下にあった「嫌いにならないでほしい」の一言だけは、冗談で流してはいけない気がしたからです。私は返信を短くまとめました。

「380円で嫌いになったりしないよ。今度ゆっくり話そう」

会って聞いた、謝りすぎる理由

次の休み、同じカフェで彼女と向かい合いました。席につくなり頭を下げようとする彼女に、私は先に注文を促しました。カップが空きかけた頃、彼女がぽつりと切り出しました。

「前に、貸し借りが続いていた時期に、友達と疎遠になったことがあるの」

専門学校の頃、細かい立て替えを笑って流しているうちに、その友達からの連絡が減っていったこと。理由を聞けないまま疎遠になったこと。それ以来、借りができるとその日のうちに全部言葉にしないと落ち着かなくなったこと。

彼女は伏し目がちに、順番に話してくれました。彼女が返そうとしていたのは380円ではなく、失いたくない関係だったのだと分かりました。

そして...

今では会計のたび、私たちは先に割り勘アプリを開くようになりました。端数まで画面の上で片づけてから、店を出ます。あの長いメッセージは、まだ消していません。読み返すたび、謝られた回数ではなく、彼女がそれを打つのにかかった時間のほうを想像しています。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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