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「1000円ずつ出して、4000円ね」友人との自宅飲み。だが、友人の何気ない頼みに感じた違和感とは

  • 2026.8.24
「1000円ずつ出して、4000円ね」友人との自宅飲み。だが、友人の何気ない頼みに感じた違和感とは

じゃんけんで負けて、買い出し係になった

友人たちとうちで飲んでいた。テーブルの上の缶はあらかた空になり、つまみの皿も底が見えている。

誰からともなく、そろそろ買い足すかという話になった。

「じゃあ、じゃんけんで決めよう」

負けたのは俺だった。文句はない。この集まりでは昔からそうやって決めてきたし、少し酔いの回った頭には、夜の空気を吸うのも悪くないと思った。

「1000円ずつ出して、4000円ね」

みんなが出した1000円札が、テーブルの真ん中に集まる。

俺はそれを財布にしまって、注文を順番に聞いていった。ビールの種類、酎ハイの味、しょっぱい系のつまみ。

言われた分を頭の中に並べながら、そろそろ出ようと腰を上げたときだった。

「あと、あのアイスもお願いしていい?」

友人のひとりが、思いついたという顔で、コンビニでよく買う少し高めのアイスを挙げた。俺はすぐに返事ができなかった。

そいつが出したのも、みんなと同じ1000円だ。追加で出すそぶりはない。財布を探る気配もなかった。

ただ、頭に浮かんだことを軽く口にしただけ、という顔をしていた。

言えないまま、差額だけが残った

「わかった、買ってくる」

結局、俺はそう答えて玄関を出た。夜のコンビニは眩しいくらいに明るくて、かごに酒とつまみを入れ、頼まれたアイスも冷凍ケースから取った。

会計の数字は、手元の4000円をきっちり超えていた。足りない分は自分の財布から出した。

帰って袋を広げると、みんなが手を伸ばしてくる。アイスを頼んだ友人も、当たり前みたいにそれを受け取って、ありがとう、と言った。

袋の底に残ったレシートは、誰も見ていなかった。

「悪いな、助かった」

そのひと言で終わりだった。金の話は、そのあと最後まで出てこなかった。俺も言わなかった。言えば済むのに、言えなかった。

言おうと思えば、機会はいくらでもあった。でも、口に出そうとするたびに、額の小ささが邪魔をした。

これくらいで請求する男だと思われたくない、という気持ちもあった。

たぶん向こうに悪気はない。追加で頼んだこと自体、もう気にしていないのかもしれない。それが分かるから、なおさら言えなかった。

「なあ、次は誰の家にする?」

誰かがそう言って、話は先へ流れていく。その横で、友人は頼んだアイスを食べながら、いつも通り笑っていた。

俺もつられて笑いながら相づちを打った。

あれから何度か同じメンバーで飲んでいる。でも、誰かが買い出しに立つたび、あの夜の差額がふっと頭をよぎる。たいした額じゃない。

それなのに、自分だけが気にしていることほど、妙にいつまでも残るものなのだと思う。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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