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「まとまったお金になる」“査定額2,500万円の実家”を売った58歳男性→いざ手続きを進めると…直面した事態に“青ざめたワケ”

  • 2026.9.10
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。社会保険労務士でファイナンシャルプランナーの小泉です。

「相続した家なら、売ればまとまったお金になる」そんなふうに考えている方は少なくないのではないでしょうか。長年暮らした実家には、思い出と同時に“資産”としての価値もあります。ところが、いざ売却しようとすると、査定額だけでは見えてこなかった費用や税金が次々と出てくることも。

今回は、2,500万円の査定額を前に安心していた58歳男性が、売却を進めるなかで直面した「思わぬ誤算」を紹介します。

「2,500万円で売れるなら安心」だったはずが…

相続したのは、父親が40年以上暮らしてきた一戸建てと土地。不動産会社に査定を依頼すると、売却価格の目安は2,500万円でした。「これだけあれば、老後資金の足しになる」長男はそう考えました。

ところが、売却の準備を始めると、思っていた以上に費用がかかることが分かり青ざめました。

不動産会社に仲介を依頼して2,500万円で売却した場合、仲介手数料には法律上の上限があり、通常の計算では税込89万1,000円です。もちろん、これは上限額であり、必ずこの金額になるわけではありません。

さらに、物件によっては売却のために直接必要となる測量費や、売主が負担する契約書の印紙税、建物を取り壊して土地を売却する場合の解体費などがかかることもあります。長男の場合は、測量費40万円のほか、家財処分にも25万円かかりました。「2,500万円で売れるなら安心」と考えていた長男でしたが、売却価格と実際に手元に残る金額は同じではありません。

そして、もう一つ気になる問題がありました。

売却したら「税金」もかかる?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

土地や建物を売却して利益が生じた場合には、譲渡所得に対して所得税や住民税などがかかる可能性があります。ただし、2,500万円で売れたからといって、2,500万円すべてが課税対象になるわけではありません。譲渡所得の金額は、基本的に「売却価格などの収入金額-取得費-譲渡費用」で計算します。

相続した不動産の場合、取得費は原則として父親が購入した際の取得費を引き継ぎます。取得費が分からない場合などには、売却価格の5%相当額を取得費とすることもできます。また、仲介手数料や売却のために直接必要となった測量費などは、一定の要件を満たせば譲渡費用として差し引けます。

さらに長男は、相続した実家を売却する場合、「被相続人の居住用財産(空き家)の売却に関する特例」を利用できる可能性があることを知りました。一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。

ただし、相続した実家なら誰でも利用できるわけではありません。建築時期や家屋の状態、相続後の利用状況など、複数の要件があります。また、原則として相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。なお、令和6年1月1日以後の譲渡では、相続人が3人以上の場合、控除額は最高2,000万円となります。

大切なのは「いくらで売れるか」だけではない

父親が亡くなってから1年4か月。長男はようやく実家の売却を終えました。振り返ってみれば、最初に考えていたのは「2,500万円で売れる」ということだけでした。

しかし実際には、仲介手数料などの売却費用がかかり、譲渡所得が生じれば税金がかかる可能性もあります。利用できる特例があるかどうかも確認しなければなりません。

さらに、2024年4月1日からは相続登記が義務付けられており、相続によって不動産を取得したことを知った日から、原則として3年以内に申請する必要があります。

相続した実家について考えるとき、「いくらで売れるか」だけを見るのは危険です。

  • 売却までにいくらかかるのか
  • 税金はいくらになるのか
  • 利用できる特例はあるのか
  • 相続登記は済んでいるのか

まで確認しておくことが大切です。

「相続した実家=2,500万円で売れる財産」と単純に考えてしまうと、実際に手元に残る金額との間に差が生じることがあります。

長男が痛感したのは、実家は「売れば現金になる財産」であっても、売却価格がそのまま手取り額になるわけではないという、ごく基本的な事実だったのです。


執筆・監修:小泉@社労士ライター
20年以上の社労士経験を通じて、多くの相談者から「こんな制度があるとは知らなかった」「もっと早く相談しておけばよかった」という声を聞いてきた経験から、専門知識を、必要とする人に、正しく、わかりやすく届けることを大切にしている。社会保険・労働保険、公的年金をはじめ、暮らしや仕事に関わる制度について、専門家としての正確性と、生活者目線のわかりやすさを両立した情報を執筆・発信。保有資格は、社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士など。

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