1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 「当然出るもの」医療保険に“150万円”払ってきた母→入院が決まり給付金を請求するが…数日後、保険会社から届いた“1通の連絡”

「当然出るもの」医療保険に“150万円”払ってきた母→入院が決まり給付金を請求するが…数日後、保険会社から届いた“1通の連絡”

  • 2026.10.3
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

今回ご紹介するのは、母の医療保険を請求した50代女性Aさんの体験談です。3日間の入院で給付金が下りなかった理由とは。

30年払い続けた、母の医療保険

先日、母の入院費を引き出しに窓口へいらした52歳のパート勤務Aさん。手続きの合間に、保険の請求で困ったことがあったと話してくださいました。

同居している78歳の母が、胆のう結石で内視鏡手術を受けたのは先月のこと。入院は3日間で、退院は予定どおりでした。窓口で支払った医療費は、高額療養費の自己負担限度額と食事代を合わせて6万1,000円ほどだったといいます。

母は平成一桁台に加入した医療保険を、月4,200円ほどの保険料でずっと払い続けていました。30年で総額150万円を超える計算です。

「毎月きちんと払ってきたので、当然出るものだと思っていました」

Aさんは母に代わって給付金を請求しました。

給付の条件は「5日以上の入院」だった

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

数日後、保険会社から届いた連絡は、入院給付金は支払えないというものでした。

母の契約は、入院給付金が日額5,000円。ただし給付の条件は「継続して5日以上の入院」で、支払いの対象になるのは5日目からという内容でした。3日で退院した母は、1日分も対象になりません。

一方、手術給付金は入院給付金とは別の扱いで、所定の手術に該当したため5万円が支払われました。窓口で払った6万1,000円には届きませんでしたが、まったくの無給付は免れた形です。

「5日目からという条件があることを、私も母も知りませんでした」

契約当時は、入院といえば1〜2週間が当たり前という時代でした。その前提でつくられた商品だったのです。

入院日数は短くなり、保険も変わっていた

母の契約当時と比べて、入院を取り巻く状況は大きく変わりました。医療技術の進歩で入院は短くなり、これまで入院が必要だった治療が、通院や日帰りに置き換わってきています。母が受けた内視鏡手術も、その一つでした。

こうした変化を受けて、近年の医療保険は給付の条件も見直されています。日帰り入院から給付の対象になるもの、入院1回につきまとまった一時金が出るもの、外来での手術にも対応するものなどが主流です。今の医療の受け方に合わせるなら、新しいタイプへの加入を検討するのも選択肢のひとつです。

ただし、加入し直すときは注意点もあります。保険料は加入時の年齢で決まるため、年齢が上がるほど高くなります。また、健康状態の告知が必要で、持病や通院の状況によっては加入を断られることもあります。その場合は、告知項目を絞った引受基準緩和型という選択肢もあります。保険料は通常より割高になり、加入直後の一定期間は給付が半額になるといった制限が付く場合もありますが、最近は加入初年度から満額保障される商品も増えています。

一方、古い契約には、予定利率の高い貯蓄性の保障や、現在では加入しにくい保障が付いている場合もあります。給付条件が今に合わないからといって、すぐに解約してよいとは限りません。新しい保険に加入するなら、契約が成立してから古い契約を解約するのが安全です。

Aさんは、自分自身の医療保険も平成のうちに加入したままだったことを思い出し、まず内容を確認してみることにしました。

「親の保険だけの話ではなかったんですね」

親の保険を元気なうちに確認しておきたいこと

いざというときに慌てないよう、次の点を確認しておきましょう。

  • 保険証券の保管場所を家族で共有しておく
  • 入院給付金の支払い条件(何日目からか)を確認する
  • 日帰り入院や外来手術が対象かを確認する
  • 手術給付金の対象範囲と倍率を確認する
  • 請求の期限(多くは3年)を確認する
  • 親が請求できないときの手続きを調べておく

契約内容がわからないときは、保険証券に記載された保険会社のコールセンターで確認できます。証券が見つからない場合は、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」を利用すると、契約の有無を調べてもらえます。保険選びや見直しの相談は、日本FP協会の無料体験相談や、各地の消費生活センターも利用できます。

「入院すれば出るはず」と思い込む前に、いつの契約で、どんな条件なのかを一度確かめておくことが、家族の安心につながります。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ