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「え?うそでしょ…」息子の“借金800万”を代わりに返済した50代母、税理士から告げられた思わぬ事実に“肩を落としたワケ”

  • 2026.10.3
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!税理士・元国税調査官の神崎遊です。

親として息子のチャレンジを応援したいと思うのは当たり前の感情です。応援は金銭で行う場合もあるでしょう。

今回の登場人物は、どうにかして息子に再び前を向いてほしいと願う50代母のFさんと息子です。「息子を助けられたと思ったのに…」Fさんの善意の行動ですんなり解決といかなかった体験談をお伝えします。

「借金はすべて母に任せて!」

Fさんは、贈与の相談のために税理士事務所を訪れました。

贈与したい相手は息子とのことでした。Fさんの息子は、夢がなく、やりたいことも見つからないまま30代に突入したそうです。

「母さん!個人で輸入販売業やってみるよ」息子が目をキラキラさせて報告したとき、「応援しようと決めた」と、Fさんは当時を振り返ります。

最初の数年は仕事が順調で、銀行から借入もして事業をさらに広げようとしていたそうですが…。

「ダメになるときは一瞬なんですね。あっという間に在庫を抱えて廃業することになったんです。息子にもう一度立ち上がってほしい。そう思って、800万円の借金は去年、私が返済してあげました」

税理士に相談したかったのは、息子の再起のために新たに開業資金を渡す場合、贈与税がいくらになりそうかということでした。 

「借金の肩代わりは原則、贈与税がかかります」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「これから贈与するつもりの現金だけが贈与税の対象というわけではないんです。返済した借金についても贈与税の対象となるのが原則です」

借金については、銀行に支払っており息子に渡したわけではないから、贈与税は関係ないと思っていたFさん。

「え?うそでしょ…。そうなると息子に、贈与税がかかるってこと…?」

息子の借金はなくなったものの、今度は税金の負担が生じると聞き、がっくりと肩を落とした様子のFさんでした。

贈与税の負担額は?

原則は借金の肩代わりをした場合は、借金が解消された側に贈与税がかかる可能性があります。Fさんの息子の場合、基礎控除110万円を超えた690万円に贈与税がかかることになります。

母から成人した息子への贈与には、特例税率が適用されます。 

適用税率は30%、控除額は90万円をもとに計算します。

800万円-110万円(基礎控除)=690万円

(690万円×30%)-90万円(控除額)=117万円

息子は117万円負担しなければならない可能性がありました。

例外規定を適用できれば…

「安心してください。今回のケースでは例外規定が使える可能性があります」

子どもが資産を失って、返済するのが困難な状況に陥り、親などの扶養義務者が代わりに返済した場合は、返済が困難な金額について、贈与により取得したものとみなされません。

Fさんの息子は廃業時、在庫を処分しても借金を返しきれず、ほかに財産と呼べるものはなく、収入もゼロ。自力で800万円を返済することは難しい状況だったそうです。 

そのため、Fさんの場合は、贈与税の対象とならない可能性が高かったのです。

母の想いを知って息子は…

後日、Fさんから「事業資金を贈与する話はなくなりました」と連絡がありました。

理由を聞くと息子が「母親にはこれ以上頼らず、再起のための資金は自分で貯める」と宣言し、就職をしたことを嬉しそうに報告してくれました。

贈与税は現金で渡した場合にだけ対象となるわけではありません。例外ケースもあり意外と難しいものなのです。大きなお金を動かすときは、税理士などの専門家を頼ることも検討してください。


執筆:税理士・元国税調査官 神崎遊

国税組織で12年間勤務し、法人税調査を中心に200件以上の税務調査に従事。現在は「ゆとり税務会計」を運営し、中小企業・個人事業主の税務支援を行っている。

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