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「そんな…」息子の“奨学金384万円”の書類にサインした50代父→3年後、日本学生支援機構から届いた“1通の封書”に絶句したワケ

  • 2026.9.17
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、息子の奨学金の書類に署名した50代のAさんの体験談です。

「うちの子なら、きちんと返してくれるはず」

そう思っていたAさんでしたが、卒業から3年後、自分のもとに奨学金の延滞通知が届きます。連帯保証人と保証人では、責任の範囲や負担する金額がどのように違うのかをご紹介します。

「うちの子なら大丈夫」と思っていた

7年前、Aさん(50代)の息子は大学に進みました。

学費の一部を日本学生支援機構の奨学金でまかなうことになり、Aさんは書類に署名しました。借りたのは月8万円、4年間でおよそ384万円です。

「うちの子なら、きちんと返してくれるはず」

Aさんはそう考えていました。実印を押し、印鑑登録証明書と収入に関する証明書も提出しています。

息子は卒業後、就職しました。返還が始まっていることは知っていましたが、金額までは聞いていません。

3年後、自分あてに届いた通知

卒業から3年が過ぎたころ、Aさんの自宅に日本学生支援機構から封書が届きました。息子の返還が滞っている、という内容です。

「そんな…。本人に届くものだと思っていました」

Aさんが問い合わせると、担当者はこう説明しました。

「本人が延滞した場合は、連帯保証人に請求します。Aさまは連帯保証人でいらっしゃいます」

貸与奨学金を借りるときは、「機関保証」か「人的保証」のどちらかを選びます。Aさんの息子は人的保証を選んでいました。

人的保証では、連帯保証人と保証人の2人が必要です。連帯保証人は原則として本人の父母で、父でも母でもかまいません。Aさんが署名したのは、この連帯保証人の欄でした。

もうひとつの機関保証を選んでいれば、保証機関が本人に代わって返還する仕組みになります。保証料はかかりますが、親族が請求を受けることはありません。ただし、本人の返還義務そのものが消えるわけではありません。

連帯保証人と保証人では、負担する金額が異なる

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

Aさんがさらに驚いたのは、連帯保証人と保証人では、返還を求められる金額が異なることでした。

「連帯保証人の方には、返還されていない金額の全額を請求することになります」

一方、弟に署名してもらった「保証人」は、扱いが異なります。

保証人は、本人と連帯保証人の双方が返還できなくなった場合に請求を受ける立場です。連帯保証人が1人、保証人が1人の場合、保証人が負担する金額は未返還額の2分の1となります。これを「分別の利益」といいます。

「同じ書類に署名したのに、そんなに違うのですか」

保証人になれる人にも条件があります。原則として、本人の父母を除く4親等以内の親族で、本人や連帯保証人と生計を別にしていること、誓約日時点で65歳未満であることなどが求められます。

本人と連帯保証人の双方が返還できなくなった場合に備える立場であるため、別生計であることなど一定の条件が設けられています。

なお、一定の資力基準を満たし、必要な書類を提出することで、親族の範囲や年齢について例外が認められる場合もあります。

延滞が続くと、本人の信用情報に影響することも

担当者は、もうひとつ注意点を挙げました。

奨学金の返還を長期間延滞すると、その情報が個人信用情報機関に登録されることがあります。原則として、延滞が3か月以上続いた場合が対象です。信用情報に登録されると、クレジットカードの利用や住宅ローンの審査などに影響する可能性があります。

こうした登録の対象になるのは、原則として奨学生本人です。一方、連帯保証人には、延滞した返還金の請求が及ぶことがあります。
返還が難しい場合には、「返還期限猶予」や「減額返還」といった制度も用意されています。延滞してから対応するのではなく、返還が厳しいと感じた段階で早めに相談することが大切です。

また、人的保証から機関保証へ変更できる場合もありますが、連帯保証人や保証人に事情が生じた場合など、利用できるケースは限られています。延滞していないことも条件となるため、延滞後の対応策として使える制度ではありません。

Aさんは息子と連絡を取り、返還期限猶予の手続きを一緒に進めることにしました。

奨学金の保証は、署名した時点では重く感じなくても、返還が滞ったときに初めて責任の大きさを実感することがあります。お子さんの奨学金で保証人になっている方は、自分がどの立場で、どこまで責任を負うのかを一度確認しておきましょう。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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