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新NISAで“1,000万円”運用していた夫が急死→「どう相続されるんだろう?」60代妻が銀行へ行くと…判明した“残酷なルール”

  • 2026.9.4
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

NISAの活用が広がる中、「万が一のことがあったときはどう相続されるんだろう?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。実はNISA口座の場合、通常の課税口座とは異なる扱いがされるため注意が必要です。

今回は、退職金1,000万円を運用していた夫のNISAを相続したものの、想定外の事実に直面した女性の事例を紹介します。

「退職金1,000万円」を新NISAで運用していた夫

60代の女性・Aさん(仮名)は、夫と二人暮らしです。

Aさんの夫は定年退職したばかりで、受け取った退職金から1,000万円を新NISAで運用することに決めていました。

このお金は夫婦の娯楽費として使おうと考えていたもので、「利益が出たら旅行に行こう」と話されていたそうです。

新NISAで投資できるのは、年間最大360万円まで。毎年コツコツ投資を続け、3年目でついに投資元本が1,000万円に到達しました。

しかしその後、Aさんの夫は病気で急死します。

NISAの相続について知識がなかったAさんは、銀行で相談することにしたそうです。

相続手続きで銀行員から告げられた言葉

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

後日、銀行窓口を訪れたAさん。

NISAの相続について尋ねると、担当者から以下の説明がありました。

「まず、ご主人さまがNISA口座で運用していた投資信託は、AさまのNISA口座には移せません。相続時はAさまの課税口座に移ることになります」

「なるほど、NISAからNISAには移せないんですね。たしか夫が死亡したときには、マイナスになっていた気がするんですが…」

担当者が調べると、Aさんの夫の死亡時点では、元本1,000万円に対して80万円のマイナスが出ていました。

Aさんは続けます。

「このお金は、二人で老後を楽しむための資金でもあったんです。せっかくなので、せめて80万円を取り戻してから売却しようと思います」

すると、担当者からはまさかの言葉が。

「NISAの相続では、相続人は亡くなった方の死亡時点の価格で投資信託を取得します。つまり、Aさまの取得価格は920万円になります。1,000万円まで取り戻して売却した場合は利益80万円に対して約16万2500円の税金がかかるので、Aさまの手元に残るのは約983万7500円ほどです」

Aさんは驚きます。

「では、最終的に手元に1,000万円を取り戻すには、税金分を考えて余分に利益を出す必要があるんですね?」

「おっしゃるとおりです。実は、課税口座の投資信託を相続する場合は亡くなった方の取得時の価格が引き継がれるので、1,000万円まで取り戻しても利益は0円であり、税金はかからないんです。しかし、NISAの場合は死亡日の価格で相続することになるため、投資元本を取り戻すと利益とみなされてしまいます」

担当者の話を聞いたAさんは、夫のマイナス分である80万円を取り戻すため、税金分も加味し、100万円ほどの利益が出たところで売却することに決めたそうです。

NISAの「相続時の扱い」を理解しておこう

NISAを利用する際は、相続時の扱いについても押さえておくと安心です。

  • 相続人のNISA口座には移せず、課税口座に移管される
  • 「死亡日の価格」が相続人の取得価格になる
  • 死亡日以降に発生した利益には「20.315%」の税金がかかる

さらに、NISAの「非課税」は投資利益に対するものであり、死亡時には通常の資産と同様に相続税の対象となる点にも注意が必要です。

NISAのメリットとともに注意点も把握し、「もしものとき」まで見据えてうまく活用していきましょう。


監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

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