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“171万円の年金”で暮らす母→「扶養には入れられない」と諦めていたが…26年12月からの“税制改正”に50代息子が歓喜したワケ

  • 2026.9.23
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、年金で暮らすお母さまを税金の扶養に入れられず、諦めていた50代のAさんの体験談です。2026年12月から基準が変わり、これまで対象外だったAさんの母も扶養に入れられるようになりました。

ただし、何もしなくても適用されるわけではありません。必要な手続きとあわせてご紹介します。  

「年金171万円では無理」と言われて

会社員男性のAさん(50代)は、近くで一人暮らしをする母(70代)に毎月生活費を送っています。

母の収入は年金だけで、年171万円。以前、勤務先に相談したところ「それだと所得が多くて、税金の扶養には入れられません」と言われました。

「10万円ちょっとの年金で暮らしている母が、扶養に入れないなんて」

そう思いながらも、Aさんはそのままにしていました。

「扶養に入れない」と諦めていた母が対象に

Aさんが人事の担当者から聞いたのは、扶養に入れる基準が変わるという話でした。

令和8年度の税制改正で、扶養親族の合計所得金額の要件が58万円以下から62万円以下に引き上げられます。令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されます。

母の年金171万円から、65歳以上の公的年金等控除110万円を差し引くと、合計所得金額は61万円。改正前の58万円には収まりませんでしたが、改正後の62万円には収まります。

母は控除対象扶養親族になり、Aさんは38万円の扶養控除を受けられることになりました。

この事実に大変喜んだAさんですが、実は要件との差はわずか3万円でした。改正がなければ、母の合計所得61万円は要件の58万円を3万円超えていて、対象外のままだったのです。

対象になっても、申告しなければ受けられない

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ここで注意したいのが、自動的に適用されるわけではないことです。

勤務先は社員の家族の年金額まで把握していません。国税庁も、この改正で新たに扶養控除の対象となる親族がいる場合は、その旨を記載した「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を勤務先に提出することとしています。

申告書の「異動月日及び事由」欄には「令和8年12月1日 改正」などと記入します。

Aさんの勤務先でも、この改正で扶養に入る家族がいるかどうかは、社員からの申告を待つ形になっていました。

なお、扶養控除には「生計を一にしていること」という要件があります。同居していなくても、Aさんのように生活費を継続して送っていれば認められます。

「いつ税金が戻る?」Aさんが気になったこと

Aさんが気になったのは、毎月の給与から引かれる所得税がいつ変わるのかでした。

令和8年11月までの源泉徴収に変更はありません。改正が反映されるのは令和8年12月の年末調整で、そこで1年分の税額を計算し直し、それまでに引かれていた税額との差額を精算します。

つまり、12月の給与で戻ってくる形です。

ただし、控除額38万円がそのまま戻るわけではありません。戻るのは、38万円に税率を掛けた分です。所得税率10%の方なら、所得税でおよそ3万8,000円。ここに復興特別所得税が上乗せされます。

なお住民税の扶養控除は33万円で、所得税とは合計所得金額の要件も反映の時期も異なります。

年末調整に間に合わなかった場合でも、確定申告をすれば控除を受けられます。

これまでご両親を扶養に入れられないと思っていた方も、今回の改正で対象にならないか、あらためて確認してみてください。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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