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「お金がかかるのは当たり前」80代母の施設代を払い続けた50代息子→2年後、領収書の一行で気づいた“年11万円還付の真実”

  • 2026.9.24
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、お母さまの施設費用を2年間払い続けてきた50代のAさんの体験談です。

「介護のお金は、税金とは関係ないと思っていました」

そう話していたAさんでしたが、領収証の隅にある一行に気づきます。確定申告をしなければ戻らないお金のお話です。

「月12万円は仕方のない出費」と思っていた

Aさん(50代)は会社員として働きながら、80代のお母さまの施設費用を負担しています。

お母さまは要介護4と認定されており、自宅での介護が難しくなったことをきっかけに、2年前から特別養護老人ホームで暮らしています。Aさんは実家を離れて暮らしていますが、お母さまの年金だけでは施設の費用をまかなえないため、毎月の請求分はAさんが自分の口座から施設に振り込み、あわせて生活費も送ってきました。

請求額は月におよそ12万円。1年で約144万円です。

「介護にお金がかかるのは当たり前だと思っていました。医療費控除も、病院の領収証を集めるものだと思い込んでいたんです」

Aさんはそう振り返ります。

領収証の隅にあった一行

ある年の冬、確定申告の書類を探すために引き出しを開けたAさんは、施設の領収証の束を見つけました。

何気なく目を落とすと、金額の下に見慣れない一行がありました。

「医療費控除対象額」

「毎月受け取っていた紙です。2年間、合計金額の欄しか見ていませんでした」

税務署に問い合わせたところ、特別養護老人ホームに支払った費用の一部は、医療費控除の対象になると説明を受けました。

対象になるのは半分、軽くなる税は年約11万円

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

特別養護老人ホームでは、施設サービスの対価(介護費、食費および居住費)として支払った自己負担額の2分の1が、医療費控除の対象です。理美容代などの日常生活費は対象になりません。

Aさんの場合、月12万円のうち介護費・食費・居住費が11万円、日常生活費が1万円でした。対象になるのは11万円の半分の5万5,000円で、1年では66万円です。

医療費控除の額は、支払った医療費から保険金などで補填される金額を差し引き、そこからさらに10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の方は総所得金額等の5%)を引いて計算します。Aさんの控除額は56万円でした。

入所している方のおむつ代も介護費に含まれますので、その2分の1が対象になります。

所得税の税率が10%の方であれば、所得税は約5万6,000円、住民税は翌年度の負担が約5万6,000円軽くなる計算です。1年で合わせて約11万円です。ただし、軽くなる額は所得や税率によって変わり、還付されるのはその年に納めた所得税の範囲内です。

なお、特別養護老人ホームの施設サービス費に対する高額介護サービス費の払い戻しを受けている場合は、その2分の1にあたる額を差し引いて計算します。

「別居しているので、自分には関係ないと思っていました」

医療費控除は、自分と生計を一にする親族のために支払った医療費が対象です。別居していても、生活費や療養費を常に送っているのであれば、実際に支払った方が控除を受けられます。

領収証は、捨てずに一行を確かめる

Aさんは、同じ条件が続いていた前の年の分もあわせて申告しました。2年分で、約22万円の負担が軽くなった計算です。まだ確定申告をしていない年の分であれば、その年の翌年1月1日から5年間、還付申告ができます。

費用の額は施設や部屋の種類によって異なります。介護老人保健施設や介護医療院では介護費・食費・居住費の自己負担額の全額が対象になるなど、施設の種類によっても扱いが変わります。

申告では、領収証をもとに医療費控除の明細書を作成します。領収証の添付は不要ですが、5年間は手元に残しておきましょう。

施設の領収証には、医療費控除の対象となる金額が記載されることになっています。ご家族の施設費用を払っている方は、まず手元の領収証に「医療費控除対象額」の記載がないか、確かめてみてください。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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