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「学費200万円は払えない…」夫が失職→娘に大学中退を切り出そうとした50代妻、窓口で知った“予想外の制度”に救われたワケ

  • 2026.9.3
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、ご主人が職を失い、娘さんの退学を考えた50代のAさんの体験談です。

「去年の収入で判定されるなら、うちは対象外のはず」

そう思っていたAさんでしたが、大学の窓口で別の仕組みを教わります。年度の途中でも申し込める制度と、期限をご紹介します。

「大学は諦めるしかない」

Aさん(50代)の夫は、6月に勤務先の事業縮小で職を失いました。

娘は私立大学の2年生で、自宅から離れて暮らしています。授業料と生活費を合わせると、負担は年に200万円近くになります。

夫の再就職の見通しは立ちません。Aさんのパート収入だけでは、とても支えられませんでした。

「授業料の免除は、去年の収入で決まると聞きました。うちは去年まで普通に働いていたので、対象にならないでしょう」

Aさんはそう考え、娘に退学を切り出そうとしていました。

「年度の途中でも、申し込めます」

思い直して大学の窓口を訪ねたAさんに、担当者はこう説明しました。

高等教育の修学支援新制度には、春と秋の定期的な募集とは別に、「家計急変採用」という枠があります。予期できない事情で家計が急に変わった場合に、年間を通じて申し込みを受け付ける仕組みです。

「では、去年の収入は関係ないのですか」

家計急変採用では、職を失った生計維持者について、前の年の所得ではなく、急変したあとの収入の見込みで判定されます。急変していないもう一方の生計維持者や学生本人については、原則として住民税の情報も使われます。

Aさんの家庭は、この時点で対象になり得ました。

支援は、授業料と奨学金の二本立て

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

支援は二つに分かれています。

ひとつは授業料等の減免です。私立大学の場合、最も手厚い区分で授業料が年に70万円を上限として免除されます。入学金についても26万円を上限とする免除がありますが、こちらは入学時の一度だけです。

もうひとつは、返す必要のない給付型奨学金です。同じ条件で最も手厚い区分に該当した場合、月に75,800円が支給されます。1年でおよそ91万円です。合わせると、年におよそ160万円になります。

「それなら、続けられます」

Aさんの表情が変わりました。

なお支援の額は、世帯の収入や資産、通学の形態によって区分が分かれます。すべての方が最も手厚い区分になるわけではありません。

期限は「3か月」

担当者は最後に、期限を強調しました。家計急変採用の申請は、原則として家計が急変した事由が発生した日から3か月以内に行う必要があります。

Aさんの場合、夫が職を失ったのは6月です。相談に訪れたのは8月の下旬でしたので、まだ間に合う時期でした。

「もう少し悩んでいたら、間に合わなかったということですか」

そのとおりです。年間を通じて受け付けているとはいえ、いつでもよいわけではありません。

対象となる事由も決まっています。生計を維持する方が亡くなった場合、事故や病気で3か月以上働くことが難しい場合、非自発的な失業、震災や火災などの被災、そして学生本人が父母などからの暴力を逃れて避難している場合です。

一方で、定年退職や離婚、正当な理由のない自己都合の退職は対象になりません。収入が減らずに支出だけが増えた場合も含まれません。また、事由に該当していても、収入や資産の基準、学業成績などの要件を満たす必要があります。

ご家庭の収入が急に変わったときは、悩んでいる間に期限が過ぎてしまうことがあります。まずは在学している学校の窓口にご相談ください。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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