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「うそでしょ…」退職金500万円で“固定5年の国債”を買った60代夫婦、1年後に待っていた予期せぬ事態に“肩を落としたワケ”

  • 2026.9.10
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、退職金の一部で個人向け国債を購入した60代のAさんご夫婦の体験談です。

「同じ利率なら、5年間変わらない方が安心」

そう考えて固定5年を選んだAさんでしたが、1年後、金利の動きを見て考えが変わります。今回は、個人向け国債の固定金利と変動金利をどう選べばよいのか、Aさんの体験をもとに見ていきます。

「同じ利率なら固定の方が安心」

Aさん(60代)は2025年の秋、退職金の一部500万円で個人向け国債を購入しました。

個人向け国債には3つの種類があります。満期まで利率が変わらない「固定3年」「固定5年」と、半年ごとに利率が見直される「変動10年」です。

当時、固定5年の利率は年0.97%。変動10年も年0.97%で、どちらも同じ利率でした。

「同じ利率なら、5年間変わらない方が安心ですね」

そう考えたAさんは、固定5年を選びました。

1年後、金利は上がっていた

それから1年。金利は上昇を続けました。

Aさんと同じ時期に発行された変動10年の利率は、最初の半年が年0.97%、次の半年が年1.48%、そして9月からは年1.87%となりました。

「うそでしょ…。変動にしていれば、持っている国債の金利も上がっていたのに…。」Aさんは肩を落としました。

変動10年は半年ごとに利率が見直されるため、金利の上昇が保有中の国債にも反映されます。

一方、Aさんが選んだ固定5年は、満期を迎える2030年9月まで年0.97%のままです。

満期までに、いくらの差になるのか

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

現在、両者の利率には年0.90%の差があります。

仮にこの差が今後も続いたとすると、1年間でおよそ4万5,000円、満期までの残り4年間ではおよそ18万円の差になります(いずれも税引前・500万円購入した場合)。

ただし、変動10年の利率は半年ごとに見直されます。今後金利が下がれば差は縮まり、状況によっては固定5年の方が有利になることもあります。

たとえば、利率の差が年0.4%まで縮まれば、500万円の場合、4年間の差はおよそ8万円です。さらに金利が低下すれば、固定5年の利率を下回る可能性もあり、その場合は固定5年を選んでいた方が有利になります。

乗り換えるべきか、待つべきか

「今から変動10年に乗り換えることはできますか」

Aさんが尋ねると、窓口では「発行から1年が経過すれば、中途換金して変動10年を購入することができます」と説明されました。

個人向け国債は、原則として発行から1年が経過すれば中途換金できるため、Aさんもこの秋から中途換金できます。

ただし、中途換金すると「中途換金調整額」が差し引かれます。差し引かれるのは、直前2回分(=1年分)の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた額です。

Aさんの場合、1年間の利子は税引前でおよそ4万8,500円、税引後では3万8,600円ほど。調整額もおよそ3万8,600円ですので、受け取った利子がそのままなくなる計算です。

それでも乗り換える方がよいかは、今後の金利次第です。金利がさらに上がれば変動10年が有利になりますが、下がれば固定5年を持ち続けた方がよかったということもあります。

将来の金利を正確に予想することはできません。だからこそ、そのお金をいつ使うのかという視点で考えることが大切です。

当分使う予定がなく、金利の変化を反映させたいなら変動10年。5年間の利率を確定させたいなら固定5年。国債を購入する時には、目先の金利だけで判断せず、資金を使う時期も考えて選ぶようにしてください。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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